最新記事
ヘルス

血糖値が正常な人は12%だけ。「砂糖よりハチミツが健康」と思っている人が知るべき糖との付き合い方

2022年11月9日(水)20時55分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

では、人工甘味料はどうなのか? 人工甘味料にはインスリン値を急上昇させるものがある。つまり、体に脂肪を貯蔵させて体重を増やす。たとえば、ダイエット炭酸飲料を飲むのをやめて水に変えると、食事のカロリーを変えなくても、体重が減ることが研究で示されている(ある研究では、6カ月で約0・9キログラム減量した)。

そのうえ予備研究で、人口甘味料の味は砂糖と同じように、甘いものへの渇望を増すことがあるとわかった。その理論からさらに推測すれば、人口甘味料はカロリーが少ないため渇望を満足させやすいので、もう1枚クッキーを食べても大丈夫と思うらしい 。

また、人工甘味料は腸内細菌の組成を変えて、体に悪影響を及ぼす可能性がある。血糖値やインスリン値に副作用を及ぼさない最善の甘味料は、次のとおりだ。

●アルロース
●ラカンカ(モンクフルーツ)
●ステビア(純粋なステビアエキスを探そう。血糖値スパイクを引き起こす混ぜ物が入っているものもある)
●エリスリトール

避けたほうがいい人工甘味料もある。これらは、とくに食品と一緒にとるとインスリン値や血糖値が上昇したり、ほかの健康問題をもたらすことがわかっている。

●アスパルテーム
●マルチトール(消化されるとグルコースになる)
●スクラロース
●キシリトール
●アセスルファムK

甘味料は砂糖の完璧な代替品ではない。味が嫌いな人が多く、頭痛や胃痛を起こす人もいる。実際、砂糖ほどおいしくはない。朝食のミルクセーキにはラカンカでもいいが、焼き菓子をつくるときなど、本物の砂糖が欲しいこともあるだろう。

これはわたしの意見だが、いちばんいいのは、甘味料を利用しながら、なんでも甘くしなくてもいいようになっていくことだ。甘味には依存性があるからである。

依存症という難問

甘いものは依存症を引き起こしやすい。甘味は脳の依存性に関わる部位を活性化するのだ。たくさん食べるほど、もっと欲しくなる。

甘味をゆっくりと断つために、できることがいくつかある。コーヒーに入れる砂糖をアルロースに変え、しだいに量を減らしていこう。お菓子が欲しくなったら、リンゴを食べてみる。甘いものへの渇望に襲われたら、深呼吸を続けよう。

わたしの経験では、20分後にはたいてい消えていく。それでもまだ苦しければ、ほかのものを食べてみよう。チーズなど、脂肪の多いものがよく効く。わたしは、シナモンやリコリスなどで自然の甘味をつけた紅茶にいつも助けられている。

そこまでしても、まだ甘いものが欲しいときは、罪悪感なしに食べるのがいちばんだ。

人生が変わる 血糖値コントロール大全
 ジェシー・インチャウスペ 著
 牛原眞弓 訳
 かんき出版

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英財務相、予算案で個人所得税を増税する方針=報道

ワールド

原油先物、小幅反発も2週連続下落見通し 供給懸念が

ワールド

政府、対日投資の審査制度を一部見直しへ 外為法の再

ビジネス

日経平均は5万円割れ、一時1000円超安 主力株が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 5
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 6
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中