最新記事

トレーニング

ジム通いもプロテインも不要な「塀の中の筋トレ法」が日本上陸

2017年8月25日(金)11時52分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

そこからじっくりと段階を上げていけば、ステップ5に差しかかった頃には、下記のような境地に至れるらしい。


モチベーションが沸騰している。そして、水中でプッシュアップしているように抵抗が少ない。ここでも自分をフル・プッシュアップに捧げる。痛みがないので、1レップに集中できる。フォームも崩れない。1レップに愛情を注ぎ、フォームを完璧なものに仕上げていく。本人は気づいていないが、この姿勢が彼をさらに強くしていく。(297~298ページ)

それにしても、最高難度に設定された、片腕だけのワンアーム・プッシュアップは、えげつない過酷さだ。普通の男なら0回でギブアップだろう。一度ひじを曲げたが最後、そのまま床に顎を打ちつける。ステップ1からの順序を遵守すれば、いつかできるようになるのだろうか。

convictbook170825_5.jpg
convictbook170825_6.jpg

ステップ10のワンアーム・プッシュアップ(『プリズナートレーニング』91ページ)

それすらも難なくこなせるようになった猛者ならば、ジョーお得意の片親指プッシュアップ(ワンサム・プッシュアップ?)に挑戦してほしい。

しかも、本書では「その先へ」と題して、究極難度のプッシュアップが紹介されている。98ページ掲載の「プランク」に至っては、テレビで観かける体操選手以外で、できる人がいるのかと信じられないぐらいだが、全身をバランスよく鍛え上げて「ビッグ6」を極めれば、不可能ではないのだろう。

convictbook170825_7.jpg

プランク(『プリズナートレーニング』98ページ)

あなたのその体の中に、数え切れないほどの難関が次々と待ち構えている。それがキャリステニクスの奥深さである。

無の中に、有を見いだす。真の幸せを、内なる原点に求める。その点でキャリステニクスは、東洋人の感覚でも自然と受け入れやすい筋トレ法といえる。

もちろん、尊敬できるトレーナーや同好の友との出会いを得やすいなど、ジム通いにも大きな長所があるのは確かだ。しかし、かっこよく健康的な体を得るのに、ジム通いしか選択肢がないという認識が間違いであると、本書は雄弁に物語っている。


『プリズナートレーニング――
 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ』
 ポール・ウェイド 著
 山田雅久 訳
 CCCメディアハウス

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、中国との協力と日本との同盟「両立可能」

ワールド

ゼレンスキー氏、米に新たな和平案提示 「領土問題な

ビジネス

9月の米卸売在庫、0.5%増 GDPにプラス寄与か

ワールド

タイ首相、議会解散の方針表明 「国民に権力を返還」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中