最新記事

キャリア

お金持ちになりたいなら、節約・貯金してはいけない

2018年11月19日(月)16時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Stefano Spicca-iStock.

<お金持ちになるには「もっとお金を使うべし」。豊かな生活を送るための第一歩は、投資の知識などより、「デキる人」のお金の使い方を学ぶこと>

日本は今、景気がいい。このままいけば12月に戦後最長の景気回復になるとみられている。しかし悲しいかな、その実感を持てない人が多い。将来が不安だ、給料が上がらない、もっと節約しなければ......。

所得の上昇が伴っていないといった、好景気を実感できないことの原因はここでは措いておくとして、あなた個人がもっと豊かな生活を送るには、どうしたらいいだろうか。

お金持ちになるには「もっとお金を使うべし」――。

そう訴えるのが、『デキない人のお金の使い方 デキる人のお金の使い方』(CCCメディアハウス)の著者、柴田博人氏と竹松祐紀氏だ。本書によれば、貯金は美徳という考えは大いなる過ち。「備えあれば憂いなし」という格言があるが、現実には憂いがなくなるどころか、貯金こそが人生を破綻させる一因になりかねない。

確かに、日本人は貯金が好きだと言われる。日本銀行の調査によると、家計の金融資産のうち実に52.5%を「現金・預金」が占めている。アメリカの場合、「現金・預金」は13.1%にすぎず、最も比率が高いのは「株式等」の36.2%だ。対して、日本の家庭における「株式等」の割合は10.9%に留まっている(日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」2018年8月)。

では、なぜ貯金したり節約したりするのが、良くないことなのだろうか。

お金の使い方の上手い人がお金持ちになれる

節約して地道に貯金していけば、銀行の預金残高は増えていく。しかし、寿命は延び、今や「人生100年」時代。

大雑把な計算になるが、例えば毎月10万円ずつ貯めるとすると、1年で120万円、30年で3600万円だ。大金のように思えるが、それでも引退後の余生に十分ではない。総務省の調査によれば、高齢世帯などの無職の夫と妻の家計で1月に約25万円の支出があり、3600万円の貯金は12年で使い切ってしまう計算になるのだ。

本来、お金というのは交換のための「道具」にすぎない。かつての物々交換の時代から、より利便性と公平性を高めるためにお金が発明された。

今では、それ自体が価値あるもののように思われがちだが、お金は、それだけではほとんど無価値と言っていい。欲しいものを手に入れたり、行きたい所に行ったり、あるいは夢や希望をお金で買うとしても、結局は「使う」という行為が必要だ。

それが、お金を何かに交換するということであり、お金はそのためにのみ存在する。だから、包丁やバットといった道具の扱いに長けた人が一流の料理人やプロ野球選手になれるように、お金という道具の使い方(=交換の仕方)が上手い人がお金持ちになれる、と著者たちは説く。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

成長型経済へ、26年度は物価上昇を適切に反映した予

ビジネス

次年度国債発行、30年債の優先減額求める声=財務省

ビジネス

韓国ネイバー傘下企業、国内最大の仮想通貨取引所を買

ワールド

中国、与那国島ミサイル計画に警告 「台湾で一線越え
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中