最新記事

キャリア

スティーブ・ジョブズがいつも黒のタートルネックだった理由

2017年9月28日(木)19時41分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 つまり、意思決定の質を高めるには、量をこなすこと、すなわち自分が意思決定をしていることに意識的になることが重要なのです。

 逆もしかりで、重要な意思決定に集中するために、とるに足らないような意思決定の回数を減らすということも、質の高い意思決定を数多くこなすためには重要です。

 重要な意思決定を日常茶飯事のように行っている企業の経営者の中には、意思決定する機会を省力化している人も存在します。

 例えば、スティーブ・ジョブズは、三宅一生がデザインした黒のタートルネックとリーバイスのジーンズ、ニューバランスのスニーカーがトレードマークで、同じものを何着も持っていて、それを着回していたといいます。

 これは、「今日は何を身につけるか」という選択に頭を使いたくなかったからだと公言していました。

 その他にも、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグがいつもグレーのTシャツを着ていることや、日本電産の社長、永守重信氏が緑のネクタイを好んで集めていたことなども有名です。もちろん、彼らがジョブズと同じ理由で同じものを身につけていたわけではないと思いますが、そのことによって不要な意思決定の機会を減らすメリットがあることは意識していたはずです。

 ともあれ、自分が意思決定をしていることに意識的になることは、その質を高める重要な要素であることに違いはありません。

 意思決定は、時間や労力といった資源を配分することであり、その配分の仕方で成果や結果が大きく違ってくるのです。

 言い換えれば、意思決定とは、自分がしようとしている行動に対してどんな価値があるかを考え、その価値が最大化する道をつねに選び続けることなのです。


『ファイナンスこそが最強の意思決定術である』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中