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オールドメディアが勝つ理由...この戦略なら「マスゴミ」批判を覆しインフルエンサーにも負けない

2025年6月22日(日)07時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
日本社会、メディア、オールドメディア、週刊文春、村井弦、フジテレビ、選挙報道、都議選、参議院選、国政選挙、メディア環境、メディア批判

東京都議選の選挙掲示板の前を通る通行人(6月5日)  Rodrigo Reyes Marin/SOPA Images via Reuters

<急成長中の動画メディア、文藝春秋PLUSの村井弦編集長が本誌編集長と動画で対談。大きな選挙のたび批判される「オールドメディア」こそYouTubeに活路があると指摘する理由とは>

昨年の東京都知事選や兵庫県知事選などを機に高まった新聞やテレビなど「オールドメディア」への批判。村井氏は、ニューズウィーク日本版デジタル編集長・森田優介との対談で、批判の核心はこうしたメディアが「都合が良い部分」のみを切り取っている、という人々の疑念にあると指摘する。

しかしこの批判は最近の動画メディアの形式には当てはまらないという。文字メディアや時間の制約があるテレビ放送と異なり、YouTubeの長尺動画は基本的に収録した分をまるごと公開するため恣意的な編集が難しく、発言の「捏造」などはしづらいからだ。

今後、日本においては「『しっかりとしたオールドメディア』の、特に動画の情報の価値は上がっていく」という。

その背景として兵庫県知事選後、SNS上で「いい加減な情報がたくさん出回っていることを、多くの人が知った」ことがあると村井氏は分析。こうした状況が、信頼できる情報源の価値を再認識させているという読みだ。

また、メディアが長年培ってきた信頼性やキャスティング力こそが、動画というプラットフォームで生きる武器になるとも力説する。信頼性やキャスティング力、情報判断力はまだまだインフルエンサーなど個人より旧来のメディアに分があるという。

かつては「若者・暇つぶし」のイメージだったYouTubeも、今や「リテラシーのある人も普通に見る媒体」へと変化している、と村井氏。この変化を捉え、信頼性を武器に動画コンテンツを発信していくことこそ、オールドメディアの新たな活路だと強調する。

対談では上記の論点をさらに深掘りするほか、「ショート動画時代」についての洞察や文藝春秋PLUSが急成長できた理由、動画が見られる「2つの決め手」などについても議論は及んだ(これは動画の抜粋記事です。詳しくは動画をご覧ください)。

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