たった13坪で1300冊を売る町の書店──元シンクロ日本代表と恩師・井村雅代コーチの物語
死を考える日々
きっかけは、感覚のズレ。例えば、男女平等は当たり前で、女性にも教育や子育てをしながら仕事ができる環境が必要だと考える二村さんに対して、「なんで働きたいの?」「女の子はいい人と結婚するのが一番の幸せ」という夫。
こうした価値観の違いによって徐々に大きくなっていたひずみが決定的な断絶になったのが、結婚13年目。夫の裏切りが発覚してショックを受けた二村さんは、心を患う。
「私はシンクロしかしてなくて恋愛経験もなかったから、自分にそんなことが起こると思ってなかったんです。そのストレスが原因で、パニック障害になってしまって」
1994年、娘を連れて家を出た二村さんは、12歳の娘とふたり、小さなマンションで怯えるように小さくなって暮らし始めた。ふとした瞬間に「なんでこんなことになったんかな......」とつらい記憶が蘇り、涙が溢れる。ご飯を食べても消化不良になってしまい、体重は30キロ台にまで減った。
地下鉄に乗ると、動悸が激しくなり、冷や汗が出てきて気が遠くなる。美容院に行くのも、銀行に入るのも怖くなった。ご飯の時間は実家で家族と過ごしたが、頭のなかでは「死にたい」という言葉がこだましていた。二村さんは、当時の心境について、自身のnoteにこう記す。
「信号待ちの時に、今、飛び込めば死ねる。と思ったことも何度もあった。恥ずかしながら、自傷行為に及んだ時もあった」。
げっそりとやつれた二村さんが唯一、心身の不調を感じることなく過ごせたのが隆祥館書店だった。娘の小学校卒業を区切りに大阪市内に戻り、1995年から父母のもとで働き始めた。

一冊の本に救われて
日常的に読書はするものの、そこまで本に強い思い入れを持っていなかった二村さんだが、この時期、小説からノンフィクションまで読み漁った。本を読んでいる時間は、現実から目をそらすことができたのだ。
この頃に出会ったのが、星野富弘さんの『愛、深き淵より。』。
中学校の体育の教師だった星野さんは、鉄棒で模範演技をした際、着地に失敗して頸椎を損傷。首から下が動かなくなるという重度の障害を負う。絶望の淵に追いやられた星野さんは、自分を鼓舞するように口に筆を加えて絵を描き始めた。その苦境と奮闘が描かれた『愛、深き淵より。』を読んだ二村さんの胸の内に、微かな火が灯る。
「自分の甘えに気づかされてね。死にたいと思ってるけど、そんなこと考えたらあかんな、やっぱり生きなあかんって思ったんです」
「一冊の本に救われた」。その実感は、二村さんをさらに読書に駆り立てた。読めば読むほど、「すごくいい!」と心動かされる本に出会い、本の魅力を再発見する日々だった。
その静かな興奮が伝わるのか、お店の店頭に立っていると、お客さんから「なにかお勧めの本、ない?」と聞かれるようになった。最初は、私のお勧めでいいの? と戸惑っていたものの、自分が読んだ本の感動や面白さを共有したいという思いが勝り、熱心に本を紹介するようになった。
その様子は、接客している書店員というより、「推し本」を熱く語るひとりの読書好きだった。

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