最新記事
映画

構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガロポリス』は、ある1点で『スター・ウォーズ』を超える?

Into the Heart of Madness

2025年6月13日(金)13時27分
サム・アダムズ(スレート誌映画担当)
映画『メガロポリス』場面写真、カティリナ(アダム・ドライバー)と宿敵の娘ジュリア(ナタリー・エマニュエル)

カティリナと宿敵の娘ジュリア ©2024 CAESAR FILM LLC ALL RIGHTS RESERVED

<舞台は21世紀のアメリカ共和国。伝説の監督の最新作は高尚かつチープな巨大迷宮──(ネタバレなしあらすじ・レビュー)>

フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)監督が構想から40年をかけて完成させた『メガロポリス(Megalopolis)』は、理解するのにも同じくらい時間がかかるかもしれない。

映画『メガロポリス』予告編


驚愕と失望が交錯し、圧倒されたかと思えば困惑させられ、時にはそれらが同時に襲ってくる。鑑賞した同業者に話を聞こうとしても、彼らは言葉を突然、奪われたかのようになるのだった。


伝説の監督の情熱の結晶を、誰も真っ向から批判したくはない。コッポラはこの数十年、何度もプロジェクトを進めかけては中断し、約1億2000万ドルの私財を投じた。昨年4月に他界した妻エレノアにささげる作品でもある。

そもそも『メガロポリス』はあらゆる説明を寄せ付けない。粗筋を聞いても奇妙すぎて信じ難いだろう。自分の目で見るしかない。そして、実際に見ても信じられないかもしれない。

物語の舞台は21世紀のアメリカ共和国。天才建築家のカエサル・カティリナ(アダム・ドライバー、Adam Driver)はメガロンという革新的な建材を発明し、1930年代のマンハッタンを思わせる大都市ニューローマを、理想都市メガロポリスとして再開発しようとする。

先端医療
手軽な早期発見を「常識」に──バイオベンチャーが10年越しで挑み続ける、がん検査革命とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ビットコイン、初の12万ドル突破 「どこで止まるか

ビジネス

FSB、気候変動リスク対応の中期計画発表 新政策は

ワールド

米国、ウクライナへの武器・弾薬供与を継続=ロシア大

ビジネス

ドイツ輸出企業、市場シェア大幅減 競争力低下と連銀
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 2
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中