構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガロポリス』は、ある1点で『スター・ウォーズ』を超える?
Into the Heart of Madness

カティリナと宿敵の娘ジュリア ©2024 CAESAR FILM LLC ALL RIGHTS RESERVED
<舞台は21世紀のアメリカ共和国。伝説の監督の最新作は高尚かつチープな巨大迷宮──(ネタバレなしあらすじ・レビュー)>
フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)監督が構想から40年をかけて完成させた『メガロポリス(Megalopolis)』は、理解するのにも同じくらい時間がかかるかもしれない。
驚愕と失望が交錯し、圧倒されたかと思えば困惑させられ、時にはそれらが同時に襲ってくる。鑑賞した同業者に話を聞こうとしても、彼らは言葉を突然、奪われたかのようになるのだった。
伝説の監督の情熱の結晶を、誰も真っ向から批判したくはない。コッポラはこの数十年、何度もプロジェクトを進めかけては中断し、約1億2000万ドルの私財を投じた。昨年4月に他界した妻エレノアにささげる作品でもある。
そもそも『メガロポリス』はあらゆる説明を寄せ付けない。粗筋を聞いても奇妙すぎて信じ難いだろう。自分の目で見るしかない。そして、実際に見ても信じられないかもしれない。
物語の舞台は21世紀のアメリカ共和国。天才建築家のカエサル・カティリナ(アダム・ドライバー、Adam Driver)はメガロンという革新的な建材を発明し、1930年代のマンハッタンを思わせる大都市ニューローマを、理想都市メガロポリスとして再開発しようとする。