スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
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フレッシュハーブティー レモングラス&ミントはレモングラスとスペアミントの2種類のハーブを使用
<長きにわたり、スパイスとハーブで日本の食卓を彩ってきたエスビー食品が、いま力を入れている「アップサイクル製品」とは?>
年間10億5000万トン──世界の食料の約5分の1にあたる膨大な食料が毎年廃棄されている。さらに国連食糧農業機関(FAO)によると、食物の収穫から販売までのサプライチェーンだけで食料の約13%が失われるという。
この現実を前にエスビー食品では、未活用食材のアップサイクル製品化に力を入れ始めた。
2024年3月には第1弾として、製品の製造過程で廃棄されていた鶏の一部を丹念に煮込んだ鶏白湯「本鶏だし」を、25年6月には第2弾として未活用ハーブを使用したドリンク「フレッシュハーブティーレモングラス&ミント」を発売した。

新たな挑戦の背景には、長年スパイスとハーブを食卓に届けてきたエスビー食品ならではの強い想いがある。同社は1923年に日本初のカレー粉の製造に成功したことを皮切りに「赤缶カレー粉」「ゴールデンカレー」「SPICE&HERB」シリーズなど、スパイスとハーブを活かした製品で日本の食品業界を牽引してきた。
生のハーブの香りや彩りを家庭で気軽に楽しんでもらいたい、との想いから、87年にフレッシュハーブ事業を開始。約40年にわたり、全国の農家との契約栽培による、安全・安心な生産体制を築き上げてきた。
そのなかで、品質には問題がないが、需給のバランスで余剰となる、あるいは形が不揃いなどの理由で廃棄されるハーブがあることが課題となっていた。
「大切に育てられたハーブがもったいない」という農家の想いに共感したハーブ事業部が、会社に提案したことで、アップサイクル製品の開発が始動。フレッシュハーブの魅力を発信する方法を模索するなかでたどり着いたのが「ハーブティー」だった。
「現代は『ストレス社会』とも言われ、多くの人がリフレッシュ方法を探している。ハーブティーを通して、『くつろぎのひと時』を提供したい、という想いがアイデアの源だった」と、同社マーケティング企画室の平田京は語る。
フレッシュハーブは繊細だ。種類ごとに適した温度帯で管理しなければ、変色など品質劣化の原因となるため、輸送や保管には特に注意を払う。ハーブの発育状況や余剰の出やすい時期に合わせて収穫・加工スケジュールを柔軟に調整するとなればさらに難しい。
複雑な条件下でも、エスビー食品は約40年にわたり築き上げてきた農家との信頼関係と品質管理ノウハウで、製品化を実現した。

「大変でも『農家さんのために』という強い想いがあった」と平田は語る。
「余剰ハーブが売り上げにつながれば農家への経済的支援になる。高齢化などを理由に廃業する農家も多くいるなかで、新たな取り組みに参画することへの喜びの声も多くいただいている」
発売されたハーブティーは香料を一切使わず、瑞々しくさわやかな味わいが特徴。ノンカフェインで時間を気にせずに飲める。また、エスビー食品のホームページでは、同製品を活用したアレンジレシピの紹介など、ハーブをより身近に感じられる提案にも力を入れている。
同社は今後も自社のサプライチェーンと向き合い、サステナブルな事業の可能性を模索していくという。
この挑戦は消費者に「食」を通じた社会貢献という新たな選択肢を与える。そうした小さな選択の積み重ねが、社会を変える大きなうねりになっていくかもしれない。
エスビー食品株式会社
https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/18781.html
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