最新記事

BOOKS

何かに取り憑かれたかと思うほど心揺さぶられる本...「一流の生き方」の教科書

2022年4月5日(火)11時20分
flier編集部

念頭に置いていたのは映画監督、黒澤明さんの言葉です。黒澤監督は『七人の侍』をつくる際、こんな風に語ったそうです。「ステーキの上にうなぎのかば焼きを乗せ、カレーをぶち込んだような、もう勘弁、腹いっぱいという映画を作ろうと思い、制作した」。この発想を書籍の世界に持ち込んで、これでもかというくらいに次から次へと感動が押し寄せるような本になればという思いを抱いていました。

どんなに忙しい方でも1日2、3分なら読書の時間をとれると考え、2、3分で1つの話を読めるように必ず1ページにおさめました。毎日読み続けていただくためには、その1ページのなかに必ず感動がなければいけない。そうした内容にするべく、記事選びにはこだわり抜きました。

── 掲載する記事はどのような指針をもとに選ばれたのでしょうか。

小森 方針は1つだけ、「自分の心が熱くなったかどうか」です。話し手は、有名無名を問わず、経営者、アスリート、作家、デザイナー、医師、教育者、科学者など実にさまざま。1冊を読み通してみると、職業や立場が違っても、共通項のようなものが浮かび上がってくる。それは本書にも登場するプロゴルファー杉原輝雄さんの言葉を借りると、「人間のプロ」になるための心得に通底するのではないかと思います。

「365篇を集めるのは大変だったのでは」とよくいわれるのですが、編集しているときは楽しくて夢の中にいるようだった。まさに夢中でしたね。

220402fl_bps01.jpg

1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書
 著者:藤尾秀昭(監修)
 出版社:致知出版社
 flierで要約を読む

稲盛さんの言葉が、コロナ禍で不安を抱える人たちへのエールになる

── 『稲盛和夫一日一言』は稲盛さんの金言がコンパクトにまとめられ、読むたびに心洗われる一冊でした。本書を制作するようになった背景を教えていただけますか。

小森 稲盛和夫さんの語録集は、致知出版社の社長である藤尾秀昭が10年以上前からあたためていた企画でした。稲盛さんの人生哲学、経営哲学である京セラフィロソフィを学び、継承することを目的に開設された「稲盛ライブラリー」の方々に全面的にお力添えいただき、実現に至りました。特徴は、これまで京セラ内でのみ語られた秘蔵の講話やスピーチなど、初公開の言葉も多数収録されていること。短い言葉もあれば比較的長めの言葉もあり、独特のリズムがあって、一冊を一気に読み通しても心に刺さる言葉がいくつもあるはずです。

220401fl_ivs03.jpg

(致知出版社提供)

── 10年以上前からですか。

小森 なぜこのタイミングでその企画を実現できたのか。コロナ禍で悩みや不安を抱えている方が多いいまこそ、JAL再建など幾多の困難を乗り越えてきた稲盛さんによる、体験に裏打ちされた言葉が貴重な指針となるのではないか。そうした考えが実現の後押しになりました。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米9月雇用11.9万人増、予想大幅に上回る 失業率

ビジネス

米消費者、42%が感謝祭にクレカ利用予定 前年から

ビジネス

ドイツ経済、第4四半期は緩やかに成長 サービス主導

ワールド

資産差し押さえならベルギーとユーロクリアに法的措置
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 7
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中