コラム

バカげた閣僚人事にも「トランプの賢さ」が見える...今後を占う「6つのポイント」

2024年11月21日(木)15時04分

「MAGA派を喜ばせ、党派の壁を越えてきたガバードやケネディのような仲間に感謝の意を表し、議会共和党の忠誠心を測り、リベラル派を沈没させ、党内エリートを震え上がらせることになるから、トランプにとっては一石二鳥、三鳥だ。実際の政策は、従来の共和党路線と大差ないものになるだろう」と推測する政治コンサルタントもいた。

しかし今のトランプは共和党を完全に支配している。そうであれば、こうしたとっぴな人選の脅威を過小評価するのは禁物だ。


あるコメンテーターは、ゲーツを司法長官に指名するのはロシアのウラジーミル・プーチン大統領を国防長官に起用するのと同じくらい滑稽だと指摘した。そのとおりだが、それが現実。今の共和党なら、カマラ・ハリスよりもプーチンを選ぶに決まっている。

3. 「プロジェクト2025」は?

2025年の政権奪還を見据えて保守派のシンクタンク「ヘリテージ財団」がまとめた膨大な政策提言が「プロジェクト2025」。大統領権限を大幅に拡大し、人工妊娠中絶の禁止など超保守的な社会政策を推進すると明記した文書で、当然のことながら過半数を超える国民には受け入れ難い内容だ。

だから民主党は選挙戦で、トランプが勝てば「プロジェクト2025」が実行されると叫び、有権者の不安をあおった。しかしトランプは本能的に空気を読み取り、自分は「プロジェクト2025」など知らず、読んでもいないと言い張った。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

WHOがエムポックス緊急事態宣言終了、アフリカで感

ワールド

欧州首脳が今週訪米、プーチン氏とも近く協議へ=トラ

ワールド

インド、米関税圧力でもロシア産原油購入継続へ=財務

ワールド

ロシアの対中ガス輸出、米国の輸出に影響なし=米エネ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給与は「最低賃金の3分の1」以下、未払いも
  • 3
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接近する「超巨大生物」の姿に恐怖と驚きの声「手を仕舞って!」
  • 4
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 5
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 6
    コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用
  • 7
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 8
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 9
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 10
    「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story