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岸田政権の「国家安全保障戦略」に足りないもの
2点目は、中国とロシアとの関係です。この国家安全保障戦略にしても、現在の岸田政権のスタンスにしても、対米追従がやや過剰であり、自主性が感じられません。アメリカと違って、地理的にも経済的にも日本は中国とも、またロシアとも「切っても切れない関係」があります。ですから、全面的に両国を敵視し、軍事バランスの最前線に出てしまうと、経済的な国益を大きく損なって国の成り立ちが揺らいでしまいます。
中国やロシアの行動を50%以上支持するということは考えられないにしても、最適解は、岸田版の「戦略」からは、もう少しズラしたところにあると考えられます。その代わりに、日本として中国とロシアを離反させることで、相対的に安全度を高めるという深謀遠慮も持っておくべきでしょう。
3点目は、朝鮮半島問題です。今回の安全保障戦略には、北朝鮮の核ミサイル開発に関する脅威については、かなりハッキリと指摘されています。ですが、これに対する備えとして韓国との関係改善については強調されていません。「同志国(聞き慣れない言葉です)」との連携という項目で、日米以外では「豪州、印、英・仏・独・伊等」の後に「韓国」とあるだけで、日韓関係の重要性の認識は表現されていません。
日韓関係に関しては、今回の和解の動きは非常に重要ですが、これに対しては「いつも韓国はゴールポストを動かす」「ちゃぶ台返しをする国だ」「レーダー照射問題をどうする」などの声があり、岸田政権が、そうした「保守票」に配慮しているのであれば、それは弱気に過ぎます。
ゴールポストの移動や、ちゃぶ台返しについては、「そうさせない」戦略が必要ですし、「レーダー照射」などという行為と、それを悪いと思わない先方の世論に関しては、これを放置していては北朝鮮を利するだけです。いずれにしても、野党がロクな反論をしない中で、今回の「戦略」が国策となっていく流れの中で、足りない部分の議論は続けていかねばなりません。
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