松本人志「性加害疑惑の真相」を11パターン想定してみる
松本人志は自惚れていた?
あるいは、テレビ番組の構成やキャスティングを差配できるほどの地位と権力を持った松本人志の場合、芸能志望の女性に対しては極めて容易に「断りにくい状況」を作り出せたのかもしれない。
2023年7月の改正刑法施行により、こうした「不利益の憂慮」は不同意わいせつ・不同意性交の原因となりうる行為として明示されている。このあたり、法改正によって人々の意識がアップデートされ、法改正以前の出来事がより一層厳しい目で見られるようになったという意味で、旧ジャニーズの性加害問題と似ているかもしれない。
芸能志望の女性の場合、自分の将来のキャリアと一時の不本意な性行為を天秤にかけた結果、"不同意性交に同意する"という矛盾した事態を飲み込んでしまう人も過去にはきっといたのだろう。「芸能界とはそういう場所だ」と中高年以上の人々が口をそろえて言うのは、このためだ。
「同意とは何だろうか?」と一瞬混乱しそうにもなるが、被害を受ける側(一般的には女性側)の視点で考えれば良いのではないか。「断ったら不利益を受けるかもしれない」という権力勾配の強い関係のもとでなされた同意は、同意とは言えないはず。逆に「受け入れたら見返り(利益)を得られる」という場合は、どうなのだろう。
事前に両者が十分な意思疎通を行った上であれば、そういう「同意」もアリなのかなと思ってしまうが(道徳的には良いことではないとはいえ)、少なくとも今回のケースは当日現場で突然に性的関係を迫られたと書かれている。現場でどんなやり取りがあったとしても、そんな状況で「合意形成は生まれない」と考えるのが普通ではないだろうか。
となると、松本人志が「この女は俺と性行為をすることに同意しているに違いない」と一方的に思い込んでいた、と考えるのがもっとも合理的のように思われる。お礼のメッセージを見て「とうとう出たね」と言い、合意があった証拠かのように捉えてしまう人間である。自惚れていたか、自分勝手な思い込みをしていたと考えるのが、現時点ではもっとも合理的であろう。
芸能人は「イメージ」がすべて
「疑わしきは罰せず」、「無罪推定の原則」といった生半可な法律用語を振り回して松本人志を擁護する人々もいる。一見もっともらしく聞こえるが、これらはあくまで「刑事裁判」に適用される話である。国家が個人に刑罰を課す場合と、芸能人が不祥事を起こして活動自粛に追い込まれるのは、決してイコールではない。仮に文春記事のみを根拠として警察が松本人志を逮捕したら、その場合は私も「疑わしきは罰せず」と叫ぶだろう。
芸能人というのは、「イメージ」によってメシを食っている人々だ。会ったこともないのに「なんか良い人そう」「かっこいい」「かわいい」「真面目そう」などのイメージを視聴者が抱き親近感を抱くという、究極のファンビジネスとも言える。その点がわれわれのような「一般人」とは決定的に異なる。
文春記事によって自身のイメージが崩されたなら、芸能人としての松本人志は記者会見なり動画発表なりで、イメージを回復させるだけの説明をした方が良かったのだが、結局彼は訴訟という道を選んだ。
今後、何か明確な証拠や新事実が提示されない限り、松本人志の社会的イメージはやはり非常に悪いままとなるだろう。どう控えめに見積もっても、酒の席で初対面の女性に対し禍根が残るほどの強い苦痛を与えた、という事実は揺るがないのではないか。
著名人に性加害疑惑が持ち上がった時、私たちはそれをどのように捉え、何を思ったら良いのだろう。公正な裁判がなされることを、願うばかりである。
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