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英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
ロンドンの繁華街 christo mitkov christov/Shutterstock
<パブの閉店は今年、1日1店ペースに加速。要因は様々だが、若者のアルコール離れを食い止めるために「コーヒーショップ方式」の導入が進む>
[ロンドン発]20世紀初頭には10万店近くあった英国のパブが1990年6万4000店、2010年5万5400店、昨年は4万5000店と激減している。今年は1日1店に閉店ペースが加速。若者のアルコール離れを食い止めるためビール・パブ業界は次々と苦肉の策を打ち出している。
2万店以上のパブを代表する業界団体、英国ビール・パブ協会(BBPA)は7月「イングランド、ウェールズ、スコットランドで今年378店(昨年350店)のパブが閉店すると推定しており、5600人以上の直接的な雇用喪失につながる」と警告を発した。1日1店を上回るペースだ。
BBPAのエマ・マクラーキンCEOは「パブの売上は好調だが、すぐに光熱費や税金として出ていく。多くのパブにとって利益を出すことは不可能になり、閉店していく。人々は職を、地域社会は中心となる場所を失い、地域経済にも打撃を与える」と語る。
急激に進む若者のアルコール離れ
英国のビール・パブ業界の経済貢献は年間340億ポンドを上回り、100万人以上の雇用を支える。BBPAは「パブで使われる3ポンドごとに1ポンドが税金として徴収される」と事業税や酒税の軽減を求めている。パブの閉店は農家、醸造業者、その他の業界にも影響を与える。






