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AI時代の転職こそ「人」の力を──テクノロジーと専門性を備えたLHHのコンサルティング

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2025年10月8日(水)11時00分
写真:殿村誠士 文:酒井理恵
LHH転職エージェントの責任者を務める板倉啓一郎氏

LHH転職エージェントの責任者を務める板倉啓一郎氏

<生成AIの活用が転職活動の場で当たり前になっても、最後に価値を届けるのは人財だ。企業と人を結ぶ「ラストマイル」を担う、これからの転職エージェントの姿を探る>

生成AIが急速な進化を遂げる現在、転職市場にも大きな変化の波が訪れている。履歴書・職務経歴書の作成から、面接対策まで、求職者の3人に1人が転職活動においてChatGPTなどの対話型生成AIを活用しているという調査結果もある。

もちろん、人財紹介・転職支援サービス側でも生成AIの導入事例は増加中だ。求人票の作成やレコメンド、マッチング、自動スカウトなどにAIを導入することにより、業務時間削減やマッチング精度の向上を実現。人手不足解消に大きく貢献している。

しかし──。「生成AIの普及には、光と影がある」と語るのは、LHH転職エージェントを率いる板倉啓一郎氏だ。スイスに本社を置く総合人財サービスのグローバル企業Adecco Groupの一員であるLHH。人財紹介・転職支援を手がけ、2022年のリブランディングから3年目に入った。この3年間で生成AIは働き手や企業の間で日常的なツールとなり、採用活動の風景を一変させた。

「例えば新卒採用の現場では、学生が提出するエントリーシートに生成AIが使用されているのはもはや常識であり、採用担当者はほとんど差がない書類の中から選考しなくてはならなくなりました。そのため、面接で相手が予期しないような質問を投げかけて反応を見ることが、今の人事のテーマになっているのです」

そもそも生成AIが提示するのは「平均的な答え」であり、「過去のデータから導き出した答え」だ。社会情勢、市場、価値観などは常に変化しており、今日の「最適解」が明日も通用するかどうかは分からない。「今の最適は、未来の不適である可能性が十分にある」と板倉氏は指摘する。

「データには現れない会社の魅力や文化、求職者のビジョンや思いに共感してベストマッチを実現させるのは、やはり人の力です。LHH転職エージェントでは、一人のコンサルタントが企業と転職希望者の双方を担当する『360度式コンサルティング』や、コンサルタントが専門性を追求する『職種別・業界別専門部門制』を導入し、高い専門性と一貫性を兼ね備えたコンサルティングサービスを提供しています。企業の担当者や時に経営層、そして転職希望者と直接会い、コミュニケーションを重ねることで得られる『生の声』は、市場には出回らないデータであり、非常に価値があると考えています」

こうした感覚的な情報を感じ取り、人財や仕事の紹介に生かす力こそ、生成AIでは再現できない人間の強みだ。

言葉にならない想いを形にする、LHH転職エージェントのコンサルティング

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人が介在することにはもう1つ大事な意味がある。実は、自らのビジョンを明確に言語化できる転職希望者はそう多くない。

何を生きがいとするか、自分が躍動できる未来の実現には何が必要か──。LHH転職エージェントが行っている独自調査によると、これらを明確にしてから転職したほうが、職場への定着率や満足度が高いという結果が出ている。コンサルタントが質問を投げかけ、深く掘り下げることで、自分では気づかなかった価値観や理想を発見することができる。

一方、顧客企業からも「LHHのコンサルタントは私たち以上に弊社のことをわかってくれていますね」と言われることが多いという。

板倉氏は「我々は、同業他社との比較、退職者の不満の声など、さまざまなデータを持っています。コンサルタントが一気通貫型で対応するのは一見すると非効率ですが、効率化とは真逆の道を突き進んできたことこそが我々の強み。2025年オリコン顧客満足度調査の『転職エージェント』ランキングでも、高評企業に選出していただきました」と自信を覗かせる。

とはいえLHH転職エージェントは決して先端技術を採り入れていないわけではなく、積極的に生成AIを活用している。新人研修や座学、レジュメの添削や企業紹介などの業務を生成AIやAIエージェントを採り入れることによって大幅に効率化し、削減した時間をクライアントや転職希望者とのコミュニケーションといった付加価値業務に充てているという。

さらに、製造、IT、建設、不動産など、代表的な業界ごとに24時間、最適なコンサルティングをするハイスペックなAIエージェントも開発中だ。ただし、あくまでそれはLHH転職エージェントを活用してもらうための入口に過ぎない。板倉氏は「どれだけ技術が発達しても、最終的には人が介在しなければならない」と力強く語る。

AI変革も、歴史の中では特別ではない

板倉氏のこの考えが強固になったきっかけは、2024年に公開された映画『ラストマイル』だった。映画の舞台である物流業界においてラストマイルとは、荷物が顧客のもとに到着する前の最終段階を指す。便利さの陰で忘れられがちな「人」の価値を問い直す、社会派のサスペンス映画だ。

「映画を観て、物流にも人財紹介サービスとの共通点があることに気がつきました。我々にとっても、人財こそがラストマイル。情報があふれ、判断基準に迷う現代において、人が介在することの価値はより高まっていくと考えています」と、板倉氏は言う。

生成AIが進化していくことにより、人が持つ共感力と創造力の重要性が一層増していくことも同時に浮き彫りになっている。

板倉氏は、「AIは脅威ではない」と語る。「生成AIによるディスラプション(創造的破壊)は、今まさに進行中です。ただ思い返してみると、例えば以前は紙の履歴書を郵送するのが当たり前だったのが、インターネットの登場で状況が一変しました。我々はこれまでにも多くの変化を経験し、それに適応してきました。いまAIを巡って起こっている様々なハレーションも、歴史が繰り返す変化においての現象のひとつに過ぎません」

現在、生成AIの活用は不可逆的なものになっている。LHH転職エージェントは、これからもテクノロジーを積極的に取り入れながら、専門性を極めたコンサルタントという「人」が介在する価値を重視し、人財と企業の躍動をサポートしていく。

人の力とAIの進化を融合させ、変化の先を見据えたマッチングを実現する。その主体は常に人である。これこそ、LHH転職エージェントが体現する「これからの転職エージェント」の姿と言えるだろう。


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アデコ株式会社取締役 兼 LHH Japan Country President
板倉 啓一郎(いたくら・けいいちろう)

1963年生まれ。慶應義塾⼤学理⼯学部卒。大学卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。ケリーサービスジャパン代表取締役社長、テンプスタッフ株式会社の海外事業部VPを経て、2014年に転職支援・人材紹介事業の日本責任者としてアデコ株式会社に入社。23年4月より現職


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