コラム

日本は「EV化が加速する世界」に逆行? 販売台数33%減...「化石時代」に先祖返りする理由とは

2025年10月28日(火)18時46分
中国のEVメーカーBYD

BYDが展開する高級車ブランド「ヤンワン」(10月4日) CFOTO/Sipa USA via Reuters

<今年、EVの販売台数は世界全体で2000万台を超え、シェアの4分の1以上を占めると予想される。そうしたなかで日本にはシェア拡大を妨げるハードルが>

[ロンドン発]国際エネルギー機関(IEA)によると、昨年、世界の電気自動車(EV)販売台数は1700万台を超え、販売シェアは20%以上となった。世界最大のEV市場・中国では1100万台(総販売台数の約半分)が売れ、中国の道路を走る車の10台に1台はEVになっている。

今年、EV販売は世界で2000万台を超え、シェアの4分の1以上を占めると予想されている。第1四半期のEV販売は前年同期比35%増。中国では買い替えインセンティブの継続と価格下落により、今年EV販売が国内シェアの約60%を占める見通しだ。

欧州でも今年、EV販売のシェアは25%に達するとみられている。現在の政策設定では2030年には世界のEV販売シェアは40%を超えるとIEAは見込む。中国国内のEV販売シェアは約80%に、欧州も約60%に達すると予測されている。

日本のEV販売は前年比33%減

驚くべきことに日本では昨年、EV販売は前年比33%減となり、4年ぶりの減少に転じた。売れたのはわずか5万9736台で、国内の新車販売台数全体の2%未満にとどまる。日本では依然としてハイブリッド車(HV)が支持され、高価格で新規モデルが乏しいEVは敬遠される。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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