コラム

就任1カ月のフランス首相、早くも辞任...マクロンに残された「賭け」が「ルペン大統領」に道を開く?

2025年10月08日(水)18時37分
フランス政治の混迷でルペン大統領に道が開く

Eric Broncard / Hans Lucas via Reuters

<次々に首相が替わるフランスだが、ルコルニュ首相は即時不信任決議を回避できない状況に追い込まれ、辞任の意向をマクロン大統領に伝えた>

[ロンドン発]昨年1月以降、首相が4回も替わる混乱が続くフランスで10月6日、就任わずか1カ月足らずのバスティアン・ルコルニュ首相が辞任の意向をエマニュエル・マクロン大統領に伝えた。マクロン氏は8日夜までに国家の安定のための最終交渉をまとめるよう命じた。

5日に組閣を終え、6日午後に初閣議を開く予定だったルコルニュ氏は国民議会(下院)内の反発が強く、即時不信任決議を回避できない状況に追い込まれた。「必要な条件が満たされないなら首相を務めることはできない」と辞任の理由を説明した。

「この3週間、次の大統領選まで先送りできない生活、物価と賃金、雇用、国防に当面の解を用意するため予算と社会保障のパッケージ作りに奔走した。しかし各党は妥協よりそれぞれの要求の全面受け入れを迫り、大統領選をにらんだ政治的な動きがあからさまになった」

「政治家は党利党略より国益を優先しなければならない」

ルコルニュ氏は「少しの歩み寄りで政治は動く。水面下の交渉では譲歩の兆しがあった。必要なのは利害や自我を抑えることだ。政治家は党利党略より国益を優先しなければならない。有権者の声に耳を傾ける一方で、フランス人全体を思わなければならない」と無念をにじませた。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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