コラム

大手ブランドが私たちを「プラスチック中毒」にした? もはやゴミ問題ではなく、健康問題に

2025年05月15日(木)19時21分

1987年、埋立地の容量が限界に達したニューヨーク市からゴミを積んだ艀が出港。ゴミは汚染しているとの噂が広まり、受入先のノースカロライナ州や他の州、メキシコ、ベリーズ、バハマも受け入れを拒否し、たらい回しにされた艀はニューヨーク市に戻って来る事件が起きた。

ゴミの大半が包装材などのプラスチックだった。この事件をきっかけに廃棄物処理への関心が高まり、プラスチックのリサイクルに大きな注目が集まった。しかしプラスチックと一口に言っても何千種類もの異なる種類と亜型がある。

「布オムツは時代遅れ」という広告キャンペーン

「すべてを一纏めにしてリサイクルしようとしてもうまくいかない。リサイクルが解決策になると業界は考えていなかった。しかし化学・消費財メーカーは何か対策を講じなければと全米の自治体のリサイクルプログラムにプラスチックを含めれば問題は解決すると唱えた」という。

マクドナルドは70年代に森林破壊への懸念から紙の包装をプラスチック容器に切り替えた。しかし20年後、今度はプラスチックへの反発が強まり「何か対策を講じる必要がある」と紙の包装に戻った。しかし紙の内側にはプラスチックが使われている。

「布オムツは時代遅れ。使い捨てオムツは赤ちゃんの脳に良いし、よく眠れる」と布オムツを使う親を非難する企業の広告キャンペーンが展開され、大成功を収めた。トイレトレーニングを始める年齢はどんどん上がっている。使い捨てオムツの製造にはプラスチックは不可欠なのだ。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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