ニュース速報
ワールド

トランプ氏、ウクライナ「安全の保証」関与表明 停戦なしの和平交渉可能とも

2025年08月19日(火)05時44分

トランプ米大統領は18日、ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 18日 ロイター] - トランプ米大統領は18日、ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、米国がウクライナの安全保証提供で欧州を「支援する」と表明した。

トランプ大統領は会談の冒頭で記者団に対し、「安全の保証に関し、多くの支援が提供されるだろう」とし、欧州諸国について「彼らは防衛の最前線にいる。われわれは彼らを支援する」と語った。安全の「保証」とは何かという記者団からの質問に対しては「全てだ」と応じた。

ゼレンスキー大統領との1対1での会談後、トランプ大統領は「良好な会談だった」とし、ウクライナに対する米国の安全の保証の重要性について話し合ったと明らかにした。

ゼレンスキー氏も「米国がこのように強いシグナルを発し、安全保障の保証の用意があることは非常に重要だ」と述べた。

トランプ大統領は、ロシアが「安全の保証」の提供について容認したとも述べ、米国、ウクライナ、ロシアの3者協議の実現に向けて取り組んでいくと述べた。

最終的な和平に向けた合意は「近い将来に実現できる」としつつも、「領土の交換」の可能性についても議論しなければならないという認識を示した。

一方、トランプ大統領は一時的な停戦なしに、ウクライナ危機の終結に向けた交渉を進めることは可能と指摘。停戦がもはや和平合意の必須条件ではない考えを示唆し、プーチン大統領の主張に同調する立場を示した。

即時停戦を求めるゼレンスキー大統領は会談前、「この戦争を、そしてロシアを止める必要がある。そのためには米国と欧州のパートナーの支援が必要だ」と述べていた。

その後、トランプ氏とゼレンスキー氏は欧州諸国の首脳らを交えて会談。フランスとドイツの首脳は会談に先立ち、トランプ氏が示唆する戦闘中の和平合意に向けた交渉に反対の立場を表明。メルツ独首相は「次回の会合が停戦なしに開催されるとは想像できない」とし、「停戦に向けて努力し、ロシアに圧力をかけよう」と訴えた。

トランプ氏はまた、ゼレンスキー大統領と欧州首脳らとの会談の冒頭で、プーチン氏とゼレンスキー氏との3者会談の開催で合意すれば、「非常に前向きな動き」があるだろうとし、プーチン大統領が1000人を超えるウクライナの囚人を釈放する可能性があると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナ「安全の保証」関与表明 停戦

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米・ウクライナ協議に注目

ワールド

ゼレンスキー氏「選挙実施の用意」 安全な状況確保な

ワールド

インド・中国外相がニューデリーで会談、国境和平や貿
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する現実とMetaのルカンらが示す6つの原則【note限定公開記事】
  • 4
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 5
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 6
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 7
    アラスカ首脳会談は「国辱」、トランプはまたプーチ…
  • 8
    「これからはインドだ!」は本当か?日本企業が知っ…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    恐怖体験...飛行機内で隣の客から「ハラスメント」を…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 7
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 8
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 9
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 10
    【クイズ】アメリカで最も「盗まれた車種」が判明...…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中