コラム

AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワイトカラー」は大量に人余り...変わる日本の職業選択

2025年11月20日(木)18時05分
ホワイトカラーからブルーカラーへのシフト

DG FOTOSTOCK/SHUTTERSTOCK

<AI化の進行でホワイトカラーの余剰が激しくなってきているが、現在ではグローバル化の縮小とインフレの存在がこの流れに拍車をかけつつある>

デジタル化とインフレの進展によって 職業選択の方向性に変化が生じ始めている。場合によっては産業構造や労働市場に抜本的な地殻変動が起こる可能性も考えられる。

1990年代以降の世界経済は、デジタル化とグローバル化を軸に目覚ましい成長を実現した。

日本は例外的にゼロ成長に沈んだことから、多くの国民は実感できないかもしれないが、過去30年は人類にとって最も幸福な時代だったといえるかもしれない。各国の市民がよりよい生活を願い、高い教育を受け、ホワイトカラーの仕事に就くことを目指していた。


だが、デジタル化が従来の想像を超えたペースで進んでいることで、状況が大きく変わり始めている。きっかけとなっているのは生成AIを中心とする新技術である。

もともとITは、生産性を向上させ、組織の合理化を進める原動力となってきたが、生成AIが本格的に企業現場に浸透し始めたことで、より多くの業務を機械が代行できるようになった。

コールセンターなどにおける顧客対応や営業現場での資料作成、人事管理といった、従来であれば人間が対応しなければならなかった業務の多くが自動化されており、これに伴ってホワイトカラーの層の余剰が顕著となっている。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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