コラム

日本経済に訪れる「30年目の大転換」...課題の一方で、「景気拡大のチャンス」をもたらす今年の最大の注目点は

2024年01月11日(木)18時17分

「パー券政局」のリスク

一方でインフレが進み、金利が上昇すれば企業の行動は明らかに変化する。現金保有は損失となるので、企業は設備投資拡大に踏み切らざるを得ず、これが景気拡大の呼び水になると期待される。企業が設備投資を増やし、同時並行で積極的な賃上げを実施すれば、家計の可処分所得が増え、消費の拡大が期待できる。

つまり日銀が金利と物価をうまくコントロールできれば、日本経済を再び成長軌道に乗せることができる一方、金融政策の舵取りを誤れば、一気に景気の腰を折ってしまうことになる。日銀に対する期待はこれまで以上に高まるだろうが、ここに立ちはだかるのが政治である。

パーティー券収入の不記載と裏金疑惑は、一歩間違えば政局となるリスクをはらむ。日銀は政治的に独立しているとはいえ、政治を無視して金融政策を決めることは事実上、不可能である。

政治的混乱が続けば、日銀は機動的な金融政策を実施しにくくなり、海外投資家も腰を据えて日本市場に投資できなくなるだろう。金利と為替、そして物価は全て連動していることを忘れてはならない。結局のところ日本経済不信の元凶は政治であり、一刻も早い正常化が望まれる。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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