豪カンタス、LCCのジェットスター・アジア航空を事業停止へ

6月11日、オーストラリアのカンタス航空は、同社が出資し、シンガポールに拠点を置く格安航空会社(LCC)、ジェットスター・アジア航空を事業閉鎖すると発表した。写真は、カンタス機。2021年11月、オーストラリアのシドニーで撮影(2025年 ロイター/Loren Elliott)
[11日 ロイター] - オーストラリアのカンタス航空は11日、同社が出資し、シンガポールに拠点を置く格安航空会社(LCC)、ジェットスター・アジア航空の事業を停止すると発表した。サプライヤーのコスト増や空港手数料の上昇、LCC業界の競争激化が理由。
営業は7月31日に停止するが、その後7週間は運航を継続する。
バネッサ・ハドソン最高経営責任者(CEO)は、一部のサプライヤーのコストが200%近くも上昇し、コスト構造が大きく変化していると述べた。
事業停止に伴って自由になる5億豪ドル(3億2640万米ドル)の資本はカンタスの航空機更新計画に充てる。またジェットスター・アジア航空が保有するエアバスA320型機13機はオーストラリアとニュージーランドでの運航に順次切り替える。
カンタスは傘下の格安航空会社である豪ジェットスター航空とジェットスター・ジャパンの国際便運航には影響がないと説明した。
シンガポールのチャンギ空港は声明で、ジェットスター・アジアがシンガポールから撤退する決定を下したことには失望したが、同社の経営判断を尊重するとしている。
シンガポール最大の労働団体である全国労働組合会議(NTUC)は、シンガポール航空、シンガポール民間航空局、チャンギ空港と協力し、ジェットスター・アジアの従業員の新たな雇用機会を探していると述べた。
ジェットスター・アジア航空はカンタスがLLCへの需要増大を見込んで20年以上前に設立されたが、マレーシアのエアアジアやシンガポール航空傘下のスクートなど東南アジアのLLCとの激しい競争に直面している。