コラム

日本経済の常識だった「デフレ」と「ゼロ金利」が終わるとき...何が起きるのか?

2023年11月16日(木)19時08分

企業の資金繰りコストも上昇するので、借り入れの多い企業にとっては収益の低下要因となるだろう。ゼロ金利が解除された後は、長期金利がさらに上昇することが予想されるため、政府の利払い費が増大し、予算制約がより大きくなってくる。

日本経済はバブル崩壊以降、いわゆる「失われた30年」が続いており、ゼロ金利とデフレが当然視されていた。このところインフレが顕著になってきたことで、生活実感として経済が変わったことを認識する人が増えてきた。

今回の日銀の決定は、来年以降、日本経済の仕組みが抜本的に変わる可能性を示唆するものであり、私たちはこれまでの常識を捨て去る覚悟が必要となってくるだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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