コラム

インバウンドに期待する日本の勘違い...「爆買い」中国人はもう帰って来ない?

2022年11月30日(水)17時50分

別人のように変貌した日本人観光客たち

では、良くも悪くもワイルドだった日本人観光客がその後、どうなったのかといえば、まるで別人と思えるまでに変貌した。90年代に入ると、海外旅行にも慣れ、個人旅行が大幅に増加。観光地ではなく、現地の人が好む店を開拓するなど、買い物よりも「コト消費」を重視する成熟した観光客となっている。

過去10年の中国はまさに日本の80年代であり、中国が日本の後追いをしているという現実を考えると、中国人観光客の消費は今後、一気に成熟化していく可能性が高い。中国人に代わって爆買いの主役を担うのは、これから豊かになっていく東南アジアの人たちだろう。

今後のインバウンド需要を確実に取り込むためには、中国人向けにはより成熟したサービスを提供し、東南アジア向けには、従来型のサービスを提供するといったメリハリが必要となる。観光客が成熟してくると、主要な観光地以外にも足を延ばす人が増えるので、地方にとってはチャンスとなるかもしれない。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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