NY外為市場=ドル急伸し148円台後半、4月以来の高値 米CPI受け買い優勢

ニューヨーク外為市場では、米国の6月の消費者物価指数(CPI)を受けドル買い・円売りが優勢となり、ドルは円に対して15週ぶりの高値を更新した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 15日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米国の6月の消費者物価指数(CPI)を受けドル買い・円売りが優勢となり、ドルは円に対して15週ぶりの高値を更新した。トランプ政権の関税措置がインフレに影響し始めていることが示唆され、米連邦準備理事会(FRB)による年内利下げ回数の予想が縮小した。
ドル/円は0.77%高の148.84円と、4月3日以来の高値を更新。ドルは対ユーロでも上昇し、ユーロ/ドルは0.51%安の1.1603ドルと、6月25日以来の安値を更新。英ポンド/ドルは0.28%安の1.3389ドルと、6月23日以来の安値を付けた。
労働省発表の6月のCPIは前月比0.3%上昇し、前月の0.1%上昇から加速、1月以来の大幅な上昇となった。前年比は2.7%上昇、5月は2.4%上昇だった。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.2%、前年比2.9%上昇した。5月は前月比0.1%、前年比2.8%上昇していた。
INGの米国担当チーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「コア指数の伸びが予想をわずかに下回ったことで、FRBが9月に利下げを再開する可能性は残っている」としながらも、7月と8月のCPIで思わしくない数値が出るリスクがあるとし、「FRBが12月より前に動くには、雇用統計の明確な悪化などが条件になる」と述べた。
金利先物市場が現在織り込む年末までの利下げ幅は44ベーシスポイント(bp)。CPI統計発表前は約48bpだった。ただ、FRBによる利下げ再開の時期の予想は9月と、変わっていない。
トランプ氏は先週、メキシコ、日本、カナダ、ブラジル、欧州連合(EU)などの貿易相手国・地域に対し相次いで新たな関税率を通知。ただ、市場はこれまでのところ大きく反応していない。スタンダードチャータード(ニューヨーク)のグローバルG10外為調査・北米マクロ戦略責任者、スティーブ・イングランダー氏は「4月以降に見られた米中関税戦争のような大規模なエスカレーションに発展するのか、それとも何らかの合意に向けて進むのか、見極めようとする動きが出ている」としている。
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは3.04%安の11万6571ドル。前日は初めて12万ドル台に乗せ、過去最高値を更新していた。
ドル/円 NY午後4時 148.82/148.87
始値 147.73
高値 149.01
安値 147.69
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1600/1.1602
始値 1.1681
高値 1.1690
安値 1.1594