新型コロナによる経済損失を「スペイン風邪」の歴史から考える
ここで欧米各国と日本に決定的な違いが生じている。イギリスやアメリカは、終戦直後は反動不況となったが、その後は復興特需もあって経済は持ち直し、アメリカでは歴史的な好景気となった。イギリスもおだやかな成長を実現し、世界恐慌が発生するまではつかの間の安定を享受した。
ところが日本は、グローバルに進展した産業の近代化にうまく対応できず、戦後不況から脱却できなかった。ここに関東大震災が重なり経済はさらに疲弊。名門と呼ばれた鈴木商店が経営破綻するなど混乱を極めた。回復のきっかけをつかめないまま世界恐慌に突入し、最終的には無謀な戦争と経済破綻を招いた。あくまで結果論だが、大正時代に発生したスペイン風邪はまさに「暗黒の昭和」を暗示する出来事だったといってよい。
感染症の拡大は経済に致命的な影響を与えるわけではないが、経済や社会の枠組みを変える力を持っている。先ほどの「近代化」を「IT化」や「多様化」と言い換えれば、改革が進まない今の日本と重なる部分は多い。スペイン風邪の歴史は、変化を忌避してきた日本に行動を促しているように見える。
<本誌2020年5月26日号掲載>

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