コラム

コロナショックで加速する経済の大再編──日本と世界はどう変わるのか

2020年03月19日(木)12時19分

一方、中国は対米輸出が減少した分、東南アジアへの輸出を強化している。19年の中国の東南アジア向けの輸出は前年比で12.7%も増えており、中国と東南アジアの経済一体化が進む。

このようにアメリカと中国のサプライチェーンは縮小しているが、こうしたところにコロナウイルスの感染拡大が重なった。アメリカの航空会社は既に中国便の運航を停止しており、米中間では人の行き来が途絶えている状態だ。

契約済みの商品に関してはそのまま事務的に輸出入が行われるだろうが、今後についての商談は激減しているだろう。コロナウイルスの感染が終息する頃には、米中貿易の縮小がさらに進み、世界経済のブロック化が顕著になっている可能性が高い。

中国は輸出に頼らず、消費で成長を実現する内需経済へのシフトを進めており、10年以内にアメリカと並ぶ消費大国になるのはほぼ確実だ。アジア地域は中国中心の巨大経済圏を構築しつつあり、事実上、日本もその中に組み込まれつつある。

感染が終息した先には、中国経済とどう付き合うかという、日本にとって重大な決断が待ち受ける。

<本誌2020年3月17日号掲載>

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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