ボーイングとエンブラエル統合でMRJが大ピンチ? 頭をよぎる過去の失敗
一連の動きは市場への新規参入を狙うMRJにとって強烈な逆風となってしまう。MRJは開発が大幅に遅延しており、すでに5回も納入を延期した。昨年12月にはMRJの製造を担当する三菱航空機が、初の受注キャンセルが出る可能性について言及している。
MRJの開発が遅延しているのは技術的な問題というよりも、手続き上の問題といってよい。
航空機を世界で販売するためには、事実上の世界標準となっている米国の型式証明を取得する必要がある。役所の手続きというのは、どこも煩雑であり、米国も例外ではない。米国の審査をパスするための設計変更が相次ぎ、スケジュールが大幅に遅延。慌てた三菱重工は手続きに慣れた米国人社員を破格の待遇で大量採用したものの、挽回するのは容易なことではない。型式証明の取得に手間取っている間に、市場は着々と寡占化に向けて動き始めた。
同社には、ビジネス・ジェットの分野で新規参入を試みたものの、1800億円もの赤字を出して撤退したという過去がある。失敗した理由は、米国の型式証明の取得に手間取り、その間に市場環境が変化したことである。航空機事故をきっかけに審査基準が変わったという特殊要因はあったものの、米国の航空当局の状況を見誤り、その間に市場動向が変化したという点ではMRJが置かれた状況とよく似ている。
技術的に成功することと、ビジネスで成功することは異なる。航空機ビジネスはひとたび流れが出来てしまうと、後からの挽回は難しい。三菱にとっては、ボーイングとエンブラエルの交渉の結果に関わらず、全体戦略の見直しが必要な時期に来ているのかもしれない。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
小泉氏も高市氏も「大差なし」なのは、なぜ? 異例の総裁選に表れた「自民党の限界」 2025.10.02
「史上最高値」の株高を、日本は喜んでいいのか? 従来の価値観では全体像を見誤るリスクが 2025.08.29
-
人事マネージャー候補/外資系大手オンラインメディア企業
株式会社クリーク・アンド・リバー社
- 東京都
- 年収750万円~950万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備スタッフ/経験歓迎/賞与支給/教育制度あり/夜勤あり/稼げる仕事
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備員/経験歓迎/教育制度あり/賞与支給/夜勤あり/稼げる仕事
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備/経験歓迎/月収366,450円可能/夜勤あり/賞与支給/簡単な作業
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員