コラム

「民泊」拡大が暗示するのは、銀行のない未来

2015年12月08日(火)15時42分

 しかも資金決済についても、ペイパルといった決済サービスの会社のインフラを使えば、銀行を極力介さない取引が可能となる。ビットコインのような仮想通貨を用いることによって、銀行の介在をゼロにすることも不可能ではない。いずれこの動きは先進国の金融マーケットにも波及してくる可能性が高く、その時には、金融機関にとってIT事業者はかなりの脅威となるはずだ。

 このようなITと金融サービスの融合をフィンテックと呼ぶが、欧米の金融機関はフィンテックを業界の危機と捉えており、対応策を練り始めている。だが日本ではネットを使って金融サービスを便利にするといった程度の認識にとどまっており、全体的な関心は薄い。Airbnbの例からも分かるように、海外事業者によるサービスが普及し始めてから慌てて対応していたのでは遅すぎる。今の段階からこうした新技術をどう市場に取り込んでいくのか、前向きな議論を進めていく必要があるだろう。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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