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再び無秩序に増加する移民問題で欧州の政治は大荒れ
警察車両を襲撃する反移民の暴徒(ダブリン、11月23日) CLODAGH KILCOYNEーREUTERS
<ブレグジット後にむしろ移民が増加したイギリスだけでなく、ヨーロッパ各国で移民問題は深刻化している>
公式統計の修正のせいで政権が転覆する可能性があるとは、そうそう考えられない。だがイギリスでは、2022年の純移民数(入国した移民から出国数を差し引いた人数)が実は74万5000人に達していたという最近の発表のせいで、「殺すか殺されるか」という言葉が頻繁にささやかれるようになった。スナク政権は既に暗礁に乗り上げている。もし彼が移民数を減少させるのにしくじれば、有権者が次の選挙で彼を追い出すだろうことは目に見えている。
純移民数からいくつか読み取れることがある。まず、このペースでいけば、イギリスという比較的小さな国が、ほぼ3年ごとに大都市マンチェスターと同等の人口を輸入することになる。第2に、多くの有権者が移民の流入を抑えるためにEU離脱を選択したにも関わらず、ブレグジット後に移民が急増している。
第3に、これまでの歴代政権は移民抑制という公約を守れなかった。さかのぼること2010年にはキャメロン首相(当時)が純移民数を年間「数万人」に減らすと約束していた。22年の純移民数74万5000という数は、当初発表していた60万6000よりはるかに多いというだけでなく、キャメロンが言った「数万人」よりべらぼうに多いじゃないかと、国民は指摘していいはずだ。
結論は、政治家は移民を減らすために行動できないか、するつもりがないということだ。それは国民の怒りを呼び起こす。必ずしも常に全ての移民を拒絶しているわけではなく、大量かつ無秩序に見える移民流入への反感だ。
例えばイギリスでは、国民保健サービス(NHS)は大切な機関で、医師から看護師、技術者、スタッフに至るまで、多数の移民労働者に依存していることを国民はよく分かっている。彼らは英社会に貢献し、税金を払っている。
でも、NHSのスタッフの働きに感謝している同じ人々が、病院の増設やスタッフの増員を上回るペースでイギリスの人口が増え続けていることがNHSに大きな負荷をかけていると糾弾しかねない。同じことが住宅や学校、歯科などの問題にも言える。
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