コラム

国際社会から非難される「人権弾圧大国」イランと外交で協調する岸田政権、日本が失うものとは?

2022年11月09日(水)12時25分

9月28日には西村経済産業相がイランのオウジ石油相と会談し、やはり「伝統的友好関係の一層の強化」を強調した。イラン国営ニュースサイトは、西村氏が「日本としてイラン核合意が早期に再建され、特に石油・天然ガス分野でイランと協力できるよう希望する」と述べたと報じた。

あたかも人権侵害で世界から批判されているイランから日本が石油と天然ガスを購入するのは、既定路線であるかのようだ。

ロシアに武器を供与しているイランの閣僚とにこやかに握手し協力強化を約束し合うことと、ロシアによるウクライナ武力侵攻を非難することは両立し得ない。イラン政府への協力を誓うことと、イラン政府に弾圧されているイラン国民を支持することも両立しない。

少なくともそれはウクライナやイランの国民の目に、矛盾であり偽善であると映るだろう。

日本が人権や民主主義といった価値や国際法を軽視する国と見なされ信用を失えば、その不利益を最も被るのはほかならぬ日本国民である。不都合な事実には目をつむり、目先の利益だけに目を向ける二枚舌外交の代償は大きい。

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プロフィール

飯山 陽

(いいやま・あかり)イスラム思想研究者。麗澤大学客員教授。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(東京大学)。主著に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『中東問題再考』(扶桑社BOOKS新書)。

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