コラム

働き方改革クイズ「月末の金曜日は早めに仕事を終えて幸せに過ごす」キャンペーンの名前は?

2022年09月02日(金)16時20分
地獄

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN

<「働き方改革」が始まったのは2016年。だが結局、人々の働き方を変えたのは、改革ではなかった>

【地獄の異変】
人手不足に悩んでいるのは地獄も同じだった。悪魔たちは朝から晩まで罪人たちの舌を抜いたり、鉄棒で殴打したりしていたが、とてもではないが働き手が足りなかった。

そう、地獄はそれだけ多くの罪人であふれていたのである。

そんななか、1人の天使がせっせと火を起こしたり、カマドに薪をくべたりしていた。

新入りの罪人が悪魔に聞いた。

「あの天使はなんですか?」

悪魔が言った。

「天国からの派遣だよ」

◇ ◇ ◇

「働き方改革」と言われるようになって久しい。

気になって調べてみると、「働き方改革実現会議」が発足したのが第3次安倍内閣時の2016年。同年、「働き方改革担当大臣」も設置された。

初代大臣は自民党の加藤勝信氏。「懐かしのクイズ問題」として出題されたら超難問となろう。

働き方改革が掲げられた背景には、労働人口の減少や、労働生産性の低下といった問題があった。具体的には「長時間労働の是正」や「多様で柔軟な働き方の実現」などが目指された。

それでは、ここで問題。2017年に導入された「月末の金曜日は早めに仕事を終えて幸せに過ごす」というキャンペーンの名前は?

答えは「プレミアムフライデー」。やはり、なかなかの難問である。

「一億総活躍社会」という言葉も生まれたが、その後の2019年末から始まった新型コロナウイルス感染症の拡大は、「働き方改革」をも直撃した。もはやプレミアムフライデーどころではなくなったのである。

しかし、世の中とは皮肉なもの。人々の働き方を変えたのは、改革よりもパンデミックであった。

とりわけ、リモートワークは一定程度定着した。「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた「ワーケーション」という造語も広まった。

政府はスタートアップ支援の強化にも取り組んでいる。働き方の多様性は以前よりも進んだように見える。

それでも無論、「コロナ前とほとんど変わらない」という声もよく聞く。

私はいろいろな出版社の編集者と仕事をするが、会社によって「ほとんど在宅勤務になりました」という人もいれば、「以前と一緒です。毎日、超満員の通勤電車です」という人もいる。

同じ編集者でも随分と状況が異なるようだが、このコラムの担当者がどっちだったか、思い出せない。「企業秘密」ということにしておこう。

結局、私たちの「働き方」は変わったのだろうか。もしかしたら数年後には、「ワーケーション」が超難問クイズの解答になっているかもしれない。

最後に今回はもう1つジョークを。

プロフィール
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン戦争は2週目に、トランプ氏「無条件降伏」求め

ビジネス

アングル:欧州で若者向け住宅購入の新ビジネス、価格

ワールド

焦点:道半ばの中国「社会保険改革」、企業にも個人に

ワールド

昨年の関税合意実施を米と確認、日本が不利にならない
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 2
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 3
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 6
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 7
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園…
  • 8
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 9
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 10
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 9
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story