最新記事
災害

米テキサス州洪水「大規模災害宣言」...被害の陰に「気象局の人員削減」か

2025年7月7日(月)08時32分
テキサス州コンフォート

米南部テキサス州中部で豪雨により4日発生した洪水で、これまでに子ども14人を含む32人の死亡が確認された。テキサス州コンフォートで5日撮影(2025年 ロイター/Marco Bello)

米南部テキサス州で豪雨により4日発生した洪水で、6日までに子ども21人を含む少なくとも69人の死亡が確認された。氾濫したグアダルペ川近くのキャンプ場にいた少女11人と指導員1人を含む行方不明者の捜索活動が続いている。

テキサス州のアボット知事は6日午後の記者会見で、被害が最も深刻な同州カー郡では死者が59人に達し、他の郡でさらに10人の死亡が確認されたと説明。41人が依然として行方不明だと述べた。


 

国土安全保障省は、 トランプ大統領が大規模災害宣言を発令したことを受けて連邦緊急事態管理局(FEMA)が6日に活動を開始し、テキサス州の救助隊員にリソースを振り向けていると発表。沿岸警備隊のヘリコプターと航空機が捜索救助活動に協力しているとした。

専門家の間では、トランプ政権が国立気象局(NWS)を監督する機関を含む連邦政府職員の削減を進めたことで、当局が洪水の深刻さを正確に予測できず、事前に適切な警告を発することができなかったのではないかとの見方も出ている。

NWSを傘下に置く米海洋大気庁(NOAA)のリック・スピンラッド元長官は、トランプ政権がNOAAで数千人の人員削減を行い、多くの気象局が人員不足に陥っていると指摘。こうした人員削減がテキサス州の大規模洪水で事前警告の欠如につながったかどうかは不明だが、正確でタイムリーな予報を提供する気象局の能力を必然的に低下させると述べた。

NOAAを監督するノーム国土安全保障長官は、NWSが3日に出した「中程度」の洪水警報は極端な降雨を正確に予測していなかったとし、トランプ政権はシステムのアップグレードに取り組んでいると説明した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2025トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 大森元貴「言葉の力」
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月15日号(7月8日発売)は「大森元貴『言葉の力』」特集。[ロングインタビュー]時代を映すアーティスト・大森元貴/[特別寄稿]羽生結弦がつづる「私はこの歌に救われた」


対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

マクロン仏大統領、エアバスとマレーシア航空の「歴史

ワールド

タイ財務相、米に最新の貿易交渉案提出 追加修正も排

ビジネス

景気一致指数、5月0.1ポイント低下 判断「悪化」

ワールド

インドネシア貿易交渉責任者、7日訪米へ 関税期限控
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗」...意図的? 現場写真が「賢い」と話題に
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    コンプレックスだった「鼻」の整形手術を受けた女性…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    「シベリアのイエス」に懲役12年の刑...辺境地帯で集…
  • 9
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 10
    ギネスが大流行? エールとラガーの格差って? 知…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 9
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 10
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中