コラム

なぜ日本は「運が悪く」なったのか?...株価78倍に成長、ドンキ創業者が明かす「運がいい人」特有の考え方とは

2025年10月29日(水)17時30分

レオス・キャピタルワークス社長の藤野英人氏

レオス・キャピタルワークス社長の藤野英人氏

「運のいい人」はメタ的に物事を観察できる

藤野氏によると、「運の総量」は人によって差がないことを示した実験がある。アメリカの学者が「運のいい人100人」と「運の悪い人100人」を集めたところ、コイントスなどの確率ゲームでは差が出なかったが、新聞に載っている写真の枚数を数えるといったテストでは両者に差が見られた。

このテストにはからくりがあり、実はこの新聞には「写真が○○枚あります」と大きく書かれているのだ。運のいい人はそれを見つけ、悪い人は数えることに夢中で見逃した。

この結果を受け、安田氏は運の差は「鳥の目で全体を俯瞰できるか」と「虫の目で狭く固執するか」の違いであると指摘する。鳥の目を養うには、経験値――とりわけ失敗の数が欠かせない。なぜなら、成功よりも失敗のほうが「見えていなかったもの」をあぶり出してくれるからだ。

「楽天的で未来に可能性を求める人は運が良い。一方、守りに偏り、失敗を恐れる人は運を落とす。運の良い人はたくさん挑戦し、失敗から学ぶ。深層学習から仮説の精度が上がっていき、長期的に大きな差がつく」と安田氏は指摘する。

「負けないこと」を重視してチャンスを逃す日本人

「勝つか負けるか」という言葉がある。日本人は部活動などで「1点差でも勝ちは勝ち」と教えられ、内容よりも結果が重視される傾向にある。これに対し、藤野氏は勝ち負けではなく「勝つか学ぶか」という思想をもつことが重要だと話す。挑戦すれば、負けたとしても得るものがあるからだ。

野球にたとえると、挑戦は「打席数」にあたる。打率が1割でも1万回挑戦すれば1000本当たる。逆に打率5割でも、100回しか挑戦しなければ50本しか当たらない。打率を重視するあまり、打席に立つことに消極的なのが日本人の特徴だという。

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

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