コラム

「1000万円持っている人が来て...」後藤達也と藤野英人が投資をはじめる人に伝えたいこと

2024年10月30日(水)16時03分

初心者が少額積立投資を始めるメリットとは?

newsweekjp_20241028092926.png

レオス・キャピタルワークスの最高投資責任者、藤野英人氏(「お金のまなびば!」より)

両者によると、少額からでも積立投資を始めるメリットは主に3つ。株価が暴落して資産が半分になったとしても小さな損失で済むこと、社会や世界を見る目が変わること、株価が下落したときに安くたくさん買えることだ。

後藤氏の元には、「経済を勉強するのが楽しくなってきた」という声が多数届くという。後藤氏は、投資を呼び水に得られる学びについてこう話す。

「経済はリアルタイムで見られる予測不能かつ壮大なドラマ。エンターテインメントとして楽しめると同時に、それ自体が教養となって自分自身の仕事や生活にも生きる。お金が増えるだけでなく、企業や国際情勢に関するインプットがどんどん広がっていく」

上記の3つめのメリットは「ドルコスト平均法」という考え方に基づくものだ。常に一定金額を、定期的に購入することで、価格が低いときには購入量が多く、価格が高いときには購入量が少なくなり、平均購入単価を抑えることが期待できる。

「積み立てで"おいしい"のは株価が下がっていくとき。ドルコスト平均法は投資の武器の中でもトップクラスに有効性の高いものだ」と藤野氏も太鼓判を押す。

最後に、これから投資を始める人に向けて、後藤氏は次のようなアドバイスを送る。

「重い気持ちにならずに、ライトに始めてほしい。1~2年経つと、自然と面白いことに気づくと思うから。日本人はポジティブな面を見て前向きに考えるより、批判的に物事を見る傾向がある。粗を探せばいくらでも見つかるが、そこからイノベーションは生まれない。もっと前を向いて明るく過ごすと、人生も楽しくなるかもしれない」

デフレからインフレへの転換、AIの進歩、働き方の多様化と、社会の変化は目まぐるしい。これからの時代において求められるのは、失敗するかもしれないけれど前向きにリスクを取り、チャレンジする姿勢。それを教えてくれる手段の1つが投資なのかもしれない。

構成・酒井理恵

●YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

マネタリーベース6月は前年比3.5%減、10カ月連

ワールド

トランプ氏、義理の娘を引退上院議員後任候補に起用の

ワールド

ロシア、米特使の「時間稼ぎ」発言一蹴 合意事項全て

ワールド

米上院、州独自のAI規制導入禁止条項を減税・歳出法
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story