コラム

学生時代から政治に興味...安野貴博がいま政治の道を選んだ理由とその勝算 「やりたかったことにテクノロジーが追いついてきた」

2025年08月22日(金)07時50分

 一般の人にとっては2000年代というのはインターネットがどんどん普及してきて、最近のIT技術はついていけないぐらい発展してるな、みたいな感覚があったと思うのですが、専門家から見ると、やっと現在、AIが自分たちのやりたいことに追いついてきたというような感覚なんですね。

安野 そうですね。一番大きいのはやっぱり人間の言葉を理解、理解っていうのも結構難しい単語なんですけど、理解したうえで何かを処理するっていうことがやっとできるようになってきたわけです。それこそChatGPTが2022年の11月に公開されて以降、初めて人間の言葉に基づいてちゃんとアクションが取れるようになってきたんです。

これはすごく大きくて、やっぱり政治の場って色々な人が色々な言い方で色々なことを言うわけじゃないですか。それをいかに集約して理解をするかって、相当に大事なわけですよね。そこからの論点をいかに抽出するとか。

そういったことはまだまだ研究段階なんですけれども、できるようになりつつあるっていう、ここは本当に大きな違いなんですよね。

都知事選と参院選の手応えの違い

 都知事選の時と今回の参院選の時の選挙戦では、手応えはかなり変わりましたか。

安野 手応えはやはり今回のほうがありましたが、流れとしてはかなり似ていたと思います。得票率で見ると東京都の時が2.4%ぐらいで今回は2.5%〜2.6%ぐらいなので、実は同じぐらいなんですよね。

ただ、東京都と日本全国でスケールはすごく変わっていて、そこはかなり違った部分だと思います。

 前回の東京都から、今回は全国を対象にしたことで、何か戦略的に動いたことはありましたか。

安野 我々もやったことがないですし、何ができるんだろうかと手探りで色々やっていって、当たった部分もあれば全然当たらなかった部分もあるなという感じでした。

基本的にはオンラインとオフラインのハイブリッドで両方とも力をいれていく。そしてそれぞれでシナジーを出せる所、連携できる部分を連携させていくということだったのかなと思ってます。

 都知事選では第一声の時に10人ぐらいしかいなかったそうですが、今回の参院選では、渋谷での第一声に私も取材に行ったのですが、100人ぐらい集まっていて、皆さんサポートの意思を見せるような「みらいグリーン」を身につけていましたね。

それから「選挙の七つ道具」が届かなくて結構バタバタされていたじゃないですか。待ち時間が長引いてきた時、急遽、安野さんが「今から握手会をします」と壇上から降りてきて全員と握手し始めて「すごいな、この人」と思いました。あの時は内心ヒヤヒヤしていたんですか。

安野 ヒヤヒヤしますよ。何とかしなきゃみたいな感じで。

 30分以上、間延びしてしまったというか。

akane_anno5.jpg

支持者と握手をする安野氏(7月3日、渋谷駅前) 筆者撮影

安野 あれは、総務省での手続きというのが、結構時間がかかるんですよね。我々みたいな「みなし政党」、つまりまだ国政政党じゃない人たちが比例で選挙する時って、全国に10人立候補者が立っているということが必要要件なんですよ。

なので日本全国の選挙管理委員会と連携して、(党員の)皆さんの立候補届が全部受理されたのを確認したうえで全国比例の人(安野)がやっとエントリーできるんです。

 知りませんでした。そうだったんですね。私、てっきり安野さんが、例えばご自宅とかに自分の七つ道具を忘れてきたのかと。

安野 違う、違います。そうじゃないですよ、ちゃんと準備をして、わりと最善を尽くして、ただやっぱり処理に時間がかかるというところでああなってしまったということなんです。

なので、選挙事務も、もちろん選挙管理委員会の方々はすごく頑張っていらっしゃるのですが、もうちょっと色々とスピードアップするとうれしい部分というのはたくさんありましたね。

プロフィール

茜 灯里

作家・科学ジャーナリスト。青山学院大学客員准教授。博士(理学)・獣医師。東京大学理学部地球惑星物理学科、同農学部獣医学専修卒業、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。朝日新聞記者、大学教員などを経て第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。小説に『馬疫』(2021 年、光文社)、ノンフィクションに『地球にじいろ図鑑』(2023年、化学同人)、ニューズウィーク日本版ウェブの本連載をまとめた『ビジネス教養としての最新科学トピックス』(2023年、集英社インターナショナル)がある。分担執筆に『ニュートリノ』(2003 年、東京大学出版会)、『科学ジャーナリストの手法』(2007 年、化学同人)、『AIとSF2』(2024年、早川書房)など。

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