コラム

予想で楽しむノーベル賞、日本人受賞者を自分で考える3つのコツ

2021年09月22日(水)16時55分

クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞は、研究者の論文がどれだけ他の研究者に引用されたか、論文の重要度などから「ノーベル賞の有力候補」を選定する賞です。2002年から2020年までの受賞者360名のうち、59名がノーベル賞を受賞しています。

選ばれた日本人からは、これまでに山中伸弥氏、大隅良典氏、本庶佑氏、中村修二氏がノーベル賞を受賞しました。物故者を除くと、日本人では、審良静男氏、小川誠二氏、竹市雅俊氏、水島昇氏、森和俊氏、坂口志文氏、金久實氏、中村祐輔氏(いずれも生理学・医学)、十倉好紀氏、中沢正隆氏、飯島澄男氏、大野英男氏、細野秀雄氏(いずれも物理学)、新海征治氏、北川進氏、藤嶋昭氏、春田正毅氏、前田浩氏、松村保広氏、宮坂力氏、藤田誠氏(いずれも化学)が受賞しています。

ノーベル賞は、他の研究者に論文をたくさん引用された直後に受賞するとは限りません。むしろ、この賞を受賞してからノーベル賞受賞までは、タイムラグがある印象です。しかし、今年も9月末に2021年受賞者が発表される予定なので、「未来のノーベル賞候補」とお墨付きをもらう日本人がさらに増えるかもしれません。

日本人研究者と研究内容、賞の最近の傾向、前哨戦となる賞の受賞者を知って、ぜひ「ノーベル賞予想レース」を楽しんでくださいね。

◇ ◇ ◇

みなさんは「科学研究は自分には縁遠い、専門家の世界」と感じているかもしれません。その一方で、「難しいけれど興味はある」「最新の科学トピックスは教養として知っておきたい」と考えるビジネスマンも非常に多いと聞きます。

これからも、みなさんに身近に感じていただける切り口で科学を紹介していきます。「科学の魅力発見ツアー」を一緒に巡りませんか。

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

茜 灯里

作家・科学ジャーナリスト。青山学院大学客員准教授。博士(理学)・獣医師。東京大学理学部地球惑星物理学科、同農学部獣医学専修卒業、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。朝日新聞記者、大学教員などを経て第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。小説に『馬疫』(2021 年、光文社)、ノンフィクションに『地球にじいろ図鑑』(2023年、化学同人)、ニューズウィーク日本版ウェブの本連載をまとめた『ビジネス教養としての最新科学トピックス』(2023年、集英社インターナショナル)がある。分担執筆に『ニュートリノ』(2003 年、東京大学出版会)、『科学ジャーナリストの手法』(2007 年、化学同人)、『AIとSF2』(2024年、早川書房)など。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB、イタリアに金準備巡る予算修正案の再考を要請

ビジネス

トルコCPI、11月は前年比+31.07% 予想下

ワールド

香港大規模火災、死者159人・不明31人 7棟の捜

ワールド

プーチン氏、一部の米提案は受け入れ 協議継続意向=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 7
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 8
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story