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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

ドイツ・メルヘン街道開設50周年!グリム童話ゆかりの魅力あふれる地へ その1

2.知性とロマン、そして物語が交差する街マールブルク

マールブルク(Marburg)は、1802年から1806年までグリム兄弟が大学時代を過ごした古都。

newsweekjp_20250508083726.jpgFoto©norikospitznagel

11世紀に設立されたこの街は、学術と文化の中心地として栄え、16世紀にはドイツ最古の大学の一つであるマールブルク大学も設立された。ハイデルベルク、ゲッテインゲン、テュービンゲンと並び、ドイツの4大大学都市として長い歴史を持つ。

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Foto©norikospitznagel

この街ならではのグリム童話をテーマにした「グリム・ディッヒ・プファド(Grimm-Dich-Pfad)」と呼ばれる散策路を是非辿ってみよう。全長約2kmのこのコースでは、「カエルの王様」や「白雪姫のハイヒール」など、舞台画家パスクアーレ・イッポリトによる実物大のフィギュアが点在し、童話の世界が街中で再現されている。

newsweekjp_20250507081747.jpgFoto©norikospitznagel  誰が一番美しい?鏡に聞いてみよう

また、歴史を感じる旧市街の石畳の道や木組みの家々が並ぶ風景は、まるで中世にタイムスリップしたかのよう。聖マルティン教会や市庁舎周辺も見どころで、散策に時間をかけてゆっくりと楽しみたい場所だ。

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Foto©norikospitznagel 坂や狭い石畳の多い市内では、歩きやすい靴を履いて出かけよう

さらに、13世紀に建てられた街のシンボル「マールブルク城」からは、街全体を一望できる。城跡や庭園を巡りながら歴史的な雰囲気を満喫したい。

3. 白雪姫の故郷バート・ヴィルトゥンゲン

北ヘッセン州にひっそりと佇むバート・ヴィルトゥンゲン(Bad Wildungen)は、「白雪姫」のルーツの一つとされている、知る人ぞ知る童話の故郷だ。

街を歩けば、赤い屋根が映える木組みの家並み、色鮮やかな花で飾られたバルコニー、そして曲がりくねった石畳の路地が出迎えてくれる。

「白雪姫の故郷」とされる理由は、街に伝わる実在の人物や歴史的背景にあるそうだ。近郊に佇むベルンシュタイン城は、かつて白雪姫のモデルとされる王女が暮らしていたと伝えられており、その伝承がグリム兄弟にインスピレーションを与えたとか。

白雪姫のモデルは、バート・ヴィルドゥンゲンのヴァルデック伯爵フィリップ4世の娘マルガレータだと言われている。彼女には、実際に怖い継母がいて、隣国の王子と恋に落ち、そして1554年21歳という若さで謎の死を遂げた。ここは、真実と童話が錯綜するメルヘンの世界を体感できる場所。

次はメルヘン街道の首都カッセルへ

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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