World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

「ミャンマー総選挙」の必要性はどこにあるのかを今一度考える

ヤンゴンに浮かぶブラッディムーン 撮影:Aung Ko (MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd.)

おはようございます。
ミャンマーはヤンゴンより新町智哉がお送りしております。
現在は日替わりで停電が4時間の日と8時間の日があります。
ヤンゴンでもこの状況なので地方はもっと大変なのだろうなと思います。
暑いですが、熱く頑張っていきたいと思っています。

今回は前回の記事の続きになりますのでまだ読んでいない方は先にそちらの方をご覧ください。

第1回世論調査を行い、その経験を踏まえ、更にその結果を受けて次にどう繋げていくかの前提状況などを話しています。

本題の前にお知らせをさせてください。
ワールドボイスの連載と並行してnoteにも連載しております。

毎週水曜日clubhouseそしてFacebookで行っている番組
ミャンマー言いたい砲台ラヂオの放送後記です。
ミャンマーのリアルを言いたい放題現地からお届けしております。
どうぞご覧ください。

それでは本題です。

「とにかく選挙をしなければ」

というような意見をたまに目にします。
過去にミャンマーでも選挙を経て民主化への道を進み経済も上向いていった流れを経験した人にとっては盲目的にそう思えてしまうのは仕方の無い事なのかもしれません。

しかし、いつやるのか?
そして誰がやるのかというのは非常に重要なポイントです。
果たして今急いで選挙をやろうとしている流れはミャンマーという国をより良い方向に進める為の最良の方法でしょうか?
そこはよく考えなければいけないところだと思います。
下記は第一回ミャンマー世論調査において、選挙についてのアンケート結果です。

17選挙について.jpg

84.1%の人により軍が行おうとしている今年の選挙について支持しないと出ています。
2月1日に軍が非常事態宣言の更なる延長を発表しました(憲法違反にあたる)
それにより今年の8月に選挙が行われる可能性はほぼ無いと見られています(個人的には軍が強行する可能性はあると思っています)

最大与党であるNLDが参加出来ないようなやり方で進めようとしているような、民主的でも何でもない形での選挙強行はもっての他だとは思いますが、ならどうやって国民の意思を反映するのだという意見には一部理解を示す事は出来ます。
そこで第2回世論調査だと考えています。

日本であれば世論調査の結果が選挙結果より重用されるというのはあり得ない話ではありますが、こと今のミャンマーにおいてはやり方次第、結果次第では現状、軍が行おうとしている選挙より、国民の意思を深く知る事が出来うるものではないかと考えています。
勿論そのレベルに達するまでには大きなハードルがいくつもあるのはわかっています。
だからこそ国連などの大きな機関がやって欲しいところではあるのですが、そういったところにも色々事情はあるのでしょう。
2百歩程譲って理解を示し(思うところは色々ありますが)、自分たちでやるべきなのかなと考えています。

第2回世論調査では第1回の時より大きな社会現象を起こす必要があると考えています。
そうでないなら行う意味は無いし、そこに向かう意義も無くなってしまいます。
当初思っていたより中々の絶望的状況ではありますが、全くの無風状態から始めたこのミャンマー世論調査に僅かながら風が吹き始めているのを感じています。
大きなバタフライエフェクトを起こしていく為にも小さな羽を一生懸命バタつかせながらやっていくしかないと感じています。

よくよく考えるとこの状況は凄くエンターテインメントだなと思ったりもします。
現実はフィクションより、よほどフィクションだなと。

絶望的な状況ではありますが少しだけ、ほんの少しのことかもですが希望はあります。
ひとつはただの思いつきから始まったこの世論調査をどうにか行えた事、目標には届かなかったものの4000人もの人の意思を預けてもらえた事。
そして少しずつではありますが、この活動を知ってくれているミャンマー人の人が増えてきた事です。

しつこく、しぶとく続けていきたいと思っています。
ハッキリ言って諦めは悪い方です。
伊達に8年半、失敗続きのミャンマー生活を楽しんでいません。
第1回の結果の認知を更に広げる事は引き続きやっていきます。
更に分析チームを作り、より高度に結果を細かく分析していきたいと考えています。

第1回ミャンマー世論調査はかなり特殊な設問になっています。
それは選択式のアンケートにもコメントを書いていただけるように設定してある事です。
これにより、単純な選択以上の細かな意見や感情なども読み取れる形になっています。
この分析により、より深くミャンマー国民の意思が見えてくるのではないかと考えています。

この分析結果を基に、いかに選挙の代わりに国民の意思を確認できるものになるような調査にしていくか、第2回の設問も検討していこうと思います。

重要な事は国民の意思を正しく知る事、表現してもらう事であり、ただ選挙を行えば良いということでは無いハズです。

世論調査について、やらなければいけない事、やろうとしている事、やりたい事。
挙げていくときりが無いところではありますが、お金も人も、何もかもが足りない中でやっています。
何とかここまでは来ましたが、これからどうなるのかは私自身全くわからないところです。
一歩は踏み出せたと思います。
ここから先は皆さんの更なる注目と応援が必要だと感じています。
我こそはという方は是非お声がけください。

そしていつも応援してくれている沢山の方々へ改めて感謝を伝えたいと思います。
おかげ様で明日も頑張れそうです。
ありがとうございます。

それではまた明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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