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平野美紀|オーストラリア

ジェットスター・アジア航空、7月末で終了。日本路線も撤退で影響は?

ジェットスター・アジア航空が保有するエアバスA320型機(Credit: Jetstar Airways)

日本を含む、アジア各都市を結んできたジェットスター・アジア航空が、今月いっぱい(7月末)で運航を停止し、事業を終了すると発表した。

日本の国内線を運航しているジェットスター便や日本とオーストラリアを結ぶジェットスター便にも影響がでるのでは?!という噂が駆け巡り、一時ざわついた。日本でもオーストラリアでも「ジェットスター」と呼ばれているから紛らわしいが、カンタス航空グループのLCC(Low Cost Carrier=ローコストキャリアの略)で「ジェットスター」と名の付く航空会社は3社ある。

● ジェットスター航空(オーストラリア拠点の本家本元で、カンタス航空が100%出資)

● ジェットスター・ジャパン航空(日本拠点で、豪カンタスグループ、日本航空株式会社、東京センチュリー株式会社が出資)

● ジェットスター・アジア航空(シンガポール拠点で、シンガポール系ウェストブルック・インベストメント社が株の51%保有、49%をカンタスグループが保有し、ニュースター・ホールディングスが経営管理)

上記ように、経営体制が異なっており、今回、事業撤退を決めたのは「ジェットスター・アジア航空」だ。そのため運航を終了するのは、同社が運航する(基本的に)シンガポール発着のマップ上のエンジ色の路線となる。

newsweekjp_20250705013517.png2025年7月末までのジェットスター3社の全運航路線図。(Jetstar Airways 公式サイトより

日本発着便で影響を受けるのは、同社が運航してきた以下の路線のみとなり、日本を拠点とするジェットスター・ジャパン航空、及び、オーストラリア拠点のジェットスター航空の路線には影響しないとのことだ。

・沖縄(那覇)~シンガポール線
・大阪(関西)~マニラ経由~シンガポール線

また、ジェットスター・ジャパン航空、または、ジェットスター航空が、ジェットスター・アジア航空が運航してきた路線を引き継ぐことは基本的にないが、以下の一部の路線に限り、ジェットスター航空が運航を続けると発表されている。

・メルボルン~シンガポール線
・パース~シンガポール線
・シンガポール~デンパサール(バリ島)線

この3路線の中で、オーストラリア発着でないにもかかわらず、シンガポールとデンパサール(バリ島)を結ぶ路線の運航継続が発表されたことは、朗報といえるかもしれない。

例えば、オーストラリア北部の都市ダーウィンは、世界遺産のカカドゥ国立公園をはじめ、渓谷美で知られるニトミルク国立公園やリッチフィールド国立公園など、この地域でしか見られない雄大な風景が広がる自然豊かな見どころがたくさんあり、先住民文化を肌で感じるにもうってつけの場所だ。私も大好きで、会う人皆に『一生に一度行ってみて欲しい場所』としてすすめているが、近年、ダーウィン入りできる海外路線が激減し、行きにくくなってきているのが難点...

今回、ジェットスター航空がシンガポールとデンパサール線の運航を引き継ぐことになったため、同社が運航するデンパサール~ダーウィン線と合わせて利用することで、シンガポールからダーウィンへジェットスター1社で飛ぶことができる選択肢が残された。デンパサールでの乗り継ぎにはなってしまうが、これは捨てがたいルートだ。

時間はたんまりあるが、航空券はなるべく安く上げたい!という人なら、途中のデンパサールで一旦降りて、バリ島でのんびり滞在してからダーウィンへ...というのも悪くない。

ジェットスター・アジア航空で2025年8月1日以降に出発予定の予約をしている場合は、全額払い戻し、または、7月31日より前の便へ無料で変更可能とのこと。払い戻し方法など、詳細は公式サイトで確認を。〈了〉

 

Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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