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平野美紀|オーストラリア

感染拡大からゼロコロナへ!メルボルンの大逆転戦略とは(2)

ロックダウン解除のための世界で最も厳しい目標とは?

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夜間外出禁止となったメルボルン近郊で、「午後8時~翌朝5時まで家にいるように」と告知する道路サイン。(Credit:Adam Calaitzis-iStock)

当初から6週間を経ても状況次第で延長するとされていたが、結局、状況が回復する見込みが立たず、延長となった。そして9月6日、州政府は、「COVID NORMAL(コロナ後の州内正常化)」までのロードマップを発表。(参照

最初をファースト・ステップとした1~4までの4段階に分けて、ロックダウンの規制を緩和していくという計画で、最も厳しかったメルボルン都市圏では、各段階で主に以下のような目標値を達成することが次のステップへ進む条件となっていた。(参照

▼緩和ステップ1からステップ2への移行:
― 過去14日間のメルボルン都市圏での1日の平均感染者数が30~50件を達成すること。

▼緩和ステップ2からステップ3への移行:
― 過去14日間の1日の新規感染者数が平均5件未満、感染経路不明ケースが5件未満を達成すること。

▼緩和ステップ3から最終ステップへの移行:
― 14日間新規感染ケースが無いこと。

ステップ3への移行では、新規感染者数を減らすだけでなく、具体的に「感染経路不明ケースが5件未満」という目標が掲げられていた。

ビクトリア州では、新規感染ケースのほとんどが感染経路不明となっていたため、この部分を建て直すべく、オーストラリア防衛省の協力を得て、検査の拡充と感染経路追跡に全力を挙げた。(参照

こうした感染経路追跡システムを完璧に機能させるためにも、州全域における強固なロックダウンによる人の移動制限は大いに助けになったはずだ.。

さらに、ステップ3から最終ステップへの移行では、「14日間新規感染ケースが無い」ことを条件とし、新型コロナウイルスの検疫隔離の目安とされる14日間、新規感染ケース0を続けることで、ほぼ完全に市中のウイルスを排除したといっても過言ではないところまでもっていく。

こうして、10月26日には、ついに新規感染ケース0を達成。11月8日には、最後まで厳しい規制が敷かれていたメルボルン都市圏のロックダウンが解除され、先に解除されていた地方と同じ規制レベルとなった。(参照

120日間、1日も休まずに会見に立ち、州民と共にあり続けた州政府

途中では、ロックダウン反対派のデモが決行され、大勢の逮捕者がでたり、規制を破って罰金を課される者も続出してハラハラしたが、ビクトリア州首相は、120日間、1日も休まずに、州の最高医療責任者と毎日会見に立ち続け、時には2時間にも及ぶ記者からの厳しい質問にすべて答えていたのが印象的だった。

新型コロナウイルスを制御するには、国や行政機関による適切な対策と真摯な対応、それに応答する市民が一丸となって立ち向かわなければ厳しいのだということを、ビクトリア州の事例は示しているようにも感じた。



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Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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