コラム

イスラム国ホラサン州、バルチスタンへ拠点移転──パキスタン南西部に広がる新たなテロの温床

2025年10月06日(月)12時45分

グローバルテロの懸念と国際社会の対応

ISKPにバルチスタン州を提供することは、グローバルなテロの脅威を増大させる深刻な問題だ。

ISKPは近年、国際テロを活発化させており、2024年のイラン・ケルマン爆弾テロ(シーア派標的)やモスクワ近郊のコンサートホール襲撃テロ(ロシア市民標的)は、バルチスタン州からの指示が疑われている。


これらの事件は、ISKPが単なる地域勢力ではなく、グローバルネットワークを持つ危険性を示す。パキスタン政府による黙認は、こうしたテロの温床となる恐れがある。

ISKPのバルチスタン移転は、タリバンの圧力からの逃避を超えた戦略的撤退とも想定され、BLAとの衝突はパキスタン政府の代理戦略を象徴する。しかし、それは同時にグローバルなテロの脅威を増幅させる恐れがあり、国際社会はパキスタン政府とともにこの問題に真剣に向き合っていく必要があろう。

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プロフィール

和田 大樹

CEO, Strategic Intelligence Inc. / 代表取締役社長
専門分野は国際安全保障論、国際テロリズム論、経済安全保障、地政学リスクなど。海外研究機関や国内の大学で特任教授や非常勤講師を兼務。また、国内外の企業に対して地政学リスク分野で情報提供を行うインテリジェンス会社の代表を務める。

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