日本の「治安神話」崩壊...犯罪増加と「生き甲斐」ブームの関係
日本人は(仕事が生き甲斐だという人もいるが)どんなに日々の生活が大変でも、小さな喜びや楽しみに生きる意義を見いだせる、だから第2次大戦後の経済成長があったのだ──と理解し、「生き甲斐」を称賛する外国人はたくさんいる。だが現在の日本人は生き甲斐どころではなく、ストレスの多い毎日の暮らしに押しつぶされてはいないだろうか。
真面目に働いて生活していても良いことがないどころか損をする、という思考で強盗や詐欺に手を染める人は多いだろう。暮らしに希望を持ち、勤勉に働くほうが得をすると皆が思える社会ならば、犯罪は増えないはずだ。政治家には国民にとって希望が持てる日本をつくるべく身を粉にして働いてほしいが、その政治をつかさどる人たちが多くの国民のストレスの一端でもあるとなると......。皆さん、次回の国政選挙まで諦めずに、生き甲斐を見つけて頑張りましょう。
石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」
X(Twitter):@IshinoShahran

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