コラム

日本の「治安神話」崩壊...犯罪増加と「生き甲斐」ブームの関係

2025年05月07日(水)19時58分
石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)

日本は諸外国に比べるといまだにとても治安の良い国ではあるが、それでも身近でトラブルに遭遇することが増えた。混み合う通勤電車内で怒鳴り合う乗客を見たり、子どもが駅構内ですれ違いざまに傘で脚をたたかれたり、同じく子どもがスーパーで高年女性にカートで故意にぶつかられたり、強く押しのけられたりといったことだ。東京都内で生活しているから特にそう感じるのかもしれないが、常にイライラしていて、怒りの沸点が低く、すぐ激高する人が多いように思う。


物価高によって経済的に強いプレッシャーを感じている人が増えたことはもちろん、これから先の人生に希望が持てない、日本が良くなると思えなくて将来が不安、といった暗い雰囲気が以前より色濃く社会全体に漂っているように個人的には感じる。

皆さんは最近、周囲の人が自分の生き甲斐(がい)について話しているのを聞いたことがあるだろうか。孫の成長を見るのが生き甲斐だとか、夫婦で海外旅行をするのが生き甲斐だとか、愛車の手入れや釣りが生き甲斐だとか。10年くらい前までは、友人や知り合いからそういう話をよく聞いたし、外国でも「Ikigai」としてちょっとしたブームとなった。

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