漢方薬がコロナに効く...かは分からないが、日本の漢方は世界で人気です
漢方医学(中医学)の神髄は「未病」状態での治療にある。中国には「不治已病治未病」という言葉があるが、病気にかかってから治療するのではなく、病気になる前に体質改善などによって崩れた体調を整えるという意味だ。
そのため、急性疾患よりは、高血圧や婦人科系の病気など慢性疾患の治療に向いているとされる(その意味では、コロナの治療に役立つというのは私にはよく分からないのだが)。
体質改善といった治療方法のためか、やぶ医者が多かったからか、実は中国でも漢方医学は賛否両論だ。軍医だった私の父も、学んだのは西洋医学で、中医学には否定的だった。一方、いま中国で医師をしている妹は、南京の薬科大学で西洋医学と中医学を学び、両方を治療に生かしている。
じゃあ、おまえは漢方を信じているのかって?
実は近々、知人の医師が開業する糖尿病の専門クリニックを手伝うことになっている。糖尿病は慢性疾患。処方するのは漢方薬だ。西洋医学では救えない患者さんのお手伝いができたらと思っている。
北京で隠居生活をしている父はこれを聞いてどう思うだろう。私自身は、両方をうまく組み合わせて治療に生かすのがベストだと思っているのだけれど。
周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「地球ジャーナル ゆあチャン」)としても活動。

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