山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235球の真実
THE MAKING OF A GOAT

MLBが「完投」を絶賛する訳
投手として大きな壁を一つぶち破った試合は、10月14日のブルワーズとの第2戦。9回を111球で投げ抜き、3安打1失点で完投勝利を収めた。PSでの完投勝利は17年のジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)以来、8年ぶり。日本人投手としては初だった。
投手のイニングや球数の制限、救援投手との分業制が当然のようになった現代野球では完投はほとんど見られない。
WS前日の10月23日、トロント・ブルージェイズの右腕マックス・シャーザーは、山本の完投勝利に触れ「本当に才能ある投手。僕は長いイニングを投げられる先発投手が大好き」と絶賛。通算221勝、サイ・ヤング賞3度を誇る41歳のシャーザーの現役18年間でさえ完投数は12だ。
「日本の先発投手の育成法に感銘を受けている。日本では先発を120球投げさせて育てる。アメリカは逆に球数制限が厳しく、『全力投球型』になり、故障者が増えているように感じる」と続けた。
そして、10月25日のブルージェイズとのWS第2戦。山本は105球を投げ4安打1失点、8奪三振でWS初完投勝利。01年のカート・シリング(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)以来24年ぶりのPS2試合連続完投勝ちとなった。





