山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235球の真実

THE MAKING OF A GOAT

2025年11月16日(日)18時54分
柳原直之(スポーツニッポン記者、MLB担当)

先発で6回まで投げWS2勝目 ROBERT GAUTHIERーLOS ANGELES TIMES/GETTY IMAGES

先発で6回まで投げWS2勝目 ROBERT GAUTHIERーLOS ANGELES TIMES/GETTY IMAGES

今季限りで現役引退を表明している通算223勝、サイ・ヤング賞3度の同僚である左腕クレイトン・カーショウは試合後に感心したようにこう言った。

「これが『野球が戻るべき姿』の兆しかもしれない。先発投手同士の真っ向勝負、試合終盤まで投げ合う姿はいつだって魅力的。今回のヨシ(山本)の投球が将来のヒントになる」

さらに、カーショウは好投の秘訣を「投げ方に無駄な動きが一切なくてとても効率的」と分析し、「ヨシの今の状態であれば150球でも投げられると思う」と語った。

シャーザー、カーショウのレジェンド2人が手放しでたたえた山本の投げっぷりは、現代のメジャーリーグの投手育成に一石を投じるかもしれない。

その後、山本は登板こそなかったが中1日で延長18回、6時間39分の死闘となった10月27日の第3戦でも準備し、19回から投げる予定だった。

本来は休養日。それでも、12、13回あたりから心の準備をしていたという。延長15回にウィル・クラインが登板し、残る投手は山本と、29日の第5戦で先発予定のブレーク・スネル、そしてDHの大谷。山本が投げられなければリーダー的存在の36歳の遊撃手ミゲル・ロハスが投げる予定だった。山本は覚悟を決めた。

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