最新記事
日本政治

自民党を去りドン底も経験...参政党の神谷が今、政治を動かす「巨人」にまで成り上がった変貌劇

THE SANSEITO SURGE

2025年11月14日(金)15時30分
広野真嗣(ノンフィクション作家)

参政党の立ち上げメンバーである渡瀬と篠原newsweekjp20251112111146.jpg

参政党の立ち上げメンバーである渡瀬(写真上)と篠原(写真下)は、米政党や共産党の組織運営を参考にしたと語る PHOTOGRAPHS BY HAJIME KIMURA FOR NEWSWEEK JAPAN

20年4月、共産党の元専従職員だった篠原常一郎、元衆議院議員の松田学が加わり結党。月1000円の一般党員と月4000円(現在2500円)で候補者選定など運営に関わる運営党員、さらに無料のサポーターも選択肢にした。自民党や立憲民主党(共に年額4000円)よりはるかに高いが、集めた潤沢な資金が活動費になるから人を動かせるというのは既存政党の発想で、お金を出しているからこそ党員自らも献身すると考えるのが参政党だった。党員が意欲的にビラを配り選挙も切り回す、今につながるイメージである。

篠原は、「掲げたのは『皇室を中心とした調和の取れた日本をつくる』という幅広い理念でした。だから、スピリチュアルとか自然農法とかいろんなグループが入ってきましたよ。私に言わせれば、保守よりリベラル的な傾向の人が多かった」と話す。


なんでもござれの発想は、再生回数の伸びを見ながらコンテンツ作りをするYouTubeや、CGSの市場認識とも重なる。党の揺籃(ようらん)期とコロナ禍が重なったことで、反ワクチンは党の息長い主張にもなった。

「神谷さんが選んだマーケティング対象の層ですよ」と渡瀬は言う。

「原則、ポリティカルコレクトネス(政治的正しさ)から外れ、かつ既成政党が取りこぼした人たちでした。反ワクチンが典型で、つかめば一気に票を伸ばせる。組織拡大の天才というか、組織拡大こそが理念の人。本人は違うと言うと思いますが」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英財務相、26日に所得税率引き上げ示さず 財政見通

ビジネス

ユーロ圏、第3四半期GDP改定は速報と変わらず 9

ワールド

ロシア黒海主要港にウクライナ攻撃、石油輸出停止 世

ワールド

中国人宇宙飛行士、地球に無事帰還 宇宙ごみ衝突で遅
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 5
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 6
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 7
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 10
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中