NY外為市場=円が対ドルで上昇、介入警戒続く 日銀追加利上げの手がかり焦点
米ドル、ユーロ、円、ポンドの紙幣。5月4日撮影。REUTERS/Dado Ruvic
[ニューヨーク 29日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、年末年始を控えた薄商いの中、円が対ドルで上昇した。日銀による追加利上げのタイミングの手がかりを探る動きの中、政府・日銀による実弾介入が警戒される状況が続いている。
終盤の取引で、円は対ドルで0.23%高の156.18円。
日銀は18日―19日に開いた金融政策決定会合で出された主な意見を29日に公表。それによると、今後も利上げを継続していくことが望ましいとの意見が相次ぐ中で、そのペースについて、中立的な金利水準まで「まだかなり距離がある」として、数カ月に1回のペースを念頭に緩和度合いの調整を進めるべきだとの声があった。為替円安の物価への影響に関する言及も複数見られた。
バノックバーン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)のチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「日銀が18─19日の会合で利上げして以降、相場はやや上下しているが、閾値には達していない」とし、政府・日銀が為替介入に踏み切る条件は急激な値動きや極端なボラティリティとなるため、現時点では為替介入が行われる条件は整っていないと指摘。市場の焦点はすでに来年に向けられているため、年末を控えた現時点での取引は駆け込み的な小口注文が中心になっているため、こうした値動きから大きなシグナルを読み取るつもりはないと語った。
アポロ・グローバル・マネジメント(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、トーステン・スロック氏は、過去6カ月間、円は金利差から想定される水準を大きく下回る水準で推移していると指摘。「金利上昇局面で日本の財政に対する懸念が強まっていることが、為替相場を動かす主要な要因になり始めている」との見方を示した。
政府・日銀が最後に市場介入を実施したのは2024年7月。円が38年ぶりの安値となる1ドル=161.96円をつけた際、円買い介入に踏み切った。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.09%高の98.12。ユーロ/ドルは0.12%安の1.1757ドル。
市場では、米連邦準備理事会(FRB)が30日に公表する9─10日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が注目されている。FRBは同FOMCで0.25%ポイントの利下げを決定。利下げは9月と10月に続き、3会合連続だった。
ドル/円 NY午後4時 156.06/156.07
始値 156.40
高値 156.42
安値 155.92
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1769/1.1772
始値 1.1765
高値 1.1788
安値 1.1750





