イスラム国「大復活」はアフリカから...先進国に再びテロの脅威が吹き荒れる?
ISIS Is Waging a Deadly War Across Africa That Threatens US

ISISは決して滅んだわけではない(写真は2017年1月18日にシリアのアレッポで撮影) Mohammad Bash-shutterstock
<アフリカ各地のIS系武装勢力が勢力拡大で「融合」されつつある。だが肝心のアメリカに抑え込む力はなさそうだ>
過激派組織「イスラム国」(IS)と連携する武装勢力が、アフリカ全土で暴力行為を激化させており、その数は増加の一途をたどっている。
これら勢力の影響力はアフリカ大陸を越え、アメリカを含む他地域にも脅威を及ぼす可能性もある。
7月最終週だけでも、7月27日にコンゴ民主共和国東部で発生した教会を襲撃し多くの死者を出した事件や、7月31日にブルキナファソで兵士を殺害した事件について、IS系武装勢力は自身の犯行と主張している。
専門家らによれば、IS系武装勢力は既存の紛争を利用し、地域情勢の不安定さに乗じて勢力を拡大しているという。このような状況は、アフリカにおけるISとの戦いを極めて困難なものにしている。
ISによるアフリカでの脅威について、「(IS系武装勢力の伸長を防ぐためには)数年にわたって当該地域に継続的に関与し続ける体制が必要だ。しかし、アメリカにはその能力はないことが問題だ」と、複数の政府機関や軍に助言してきたある安全保障の専門家は、匿名を条件に本誌に対し語った。
「当該地域への関与は、(ISが根を張る)地域社会の国々の政府によってなされるべきものだ。その関与の方法こそが最大の課題だ」
また、この匿名の専門家は「各地域固有の問題に対処しなければならないことが、問題を複雑にしている」とも指摘する。
「各地域の問題が解決されなければ、それはやがてより大きな問題へと発展し、世界規模の脅威となる恐れがある。アメリカ本土やヨーロッパといった、アフリカ以外の地域に対する直接的な脅威となり得る」